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〝元凶〟にメス。最下位から一気に優勝争いへ! 異例の「大型FA補強」に見るヤクルトの本気度

2年連続の最下位に終わったヤクルトが動いた。前日本ハムの大引啓次に続き、前ロッテの成瀬善久もFAで獲得。1993年のFA制度発足以来、相川亮二(前横浜)と藤本敦士(前阪神)の2人しか獲ったことのなかったヤクルトにとっては異例の「大型補強」である。それは真中満新監督を迎え、来季の巻き返しにかける「本気」の表れと言っていいだろう。

2014/12/01

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人的補償、新外国人、トレード……さらなる補強も

 それだけにオフシーズンに入ってからのヤクルトの動きは早かった。狙いは今季9勝11敗ながらQS率は60%超と「試合を作れる」成瀬と、遊撃での守備率はパ・リーグ2位の.984と「守れる」大引。FA選手との交渉が解禁された11月13日にはいち早く2人との交渉の場を設け、真中監督も秋季キャンプ中の松山から駆けつけてこれに同席した。

 その席で、成瀬にはロッテ時代の背番号であり、松岡弘、川崎憲次郎とヤクルトの歴代沢村賞投手がつけた17番を用意。一方の大引には、若松勉、池山隆寛、青木宣親ら「ミスター・スワローズ」と呼ばれた選手たちが背負ってきた背番号1を提示した(最終的には本人の希望で「2番」を選択)。

 フロントと現場が一体となって〝誠意〟を示し、懸案だった「先発投手」と「遊撃手」の補強に成功した。しかし、それで今オフの補強が終了したわけではない。FA宣言をしていた相川の巨人入りが決まったことで、その人的補償として28人のプロテクトリストから漏れた選手(外国人を除く)を巨人から獲得できる。
 選手層の厚い巨人だけに、昨オフに大竹寛の人的補償として広島に移籍し、大ブレイクした一岡竜司の例を見ても、プロテクト外の選手でも他球団でチャンスを与えられれば十分に即戦力になりうる。

 もちろん成瀬と大引を獲得したことで、ロッテ、日本ハムから人的補償を求められる可能性もあるが、28人のプロテクト枠で主力を押さえておけば、それ以外の選手が流出したとしても来シーズンの戦力構想に大きな影響を及ぼすことはなさそうだ。

 さらに、衣笠社長は新外国人投手の獲得を明言。他球団とのトレードを画策することも考えられる。ほぼ無風状態だったこれまでのオフとは打って変わった活発な動き──。

 親会社であるヤクルト本社が創業80周年を迎える来シーズンに向け、スワローズが「本気」を出してきた。

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