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中日・小笠原は変化球を磨くより、ストレートで押し通せ【小田幸平の眼】

黄金ルーキーの小笠原慎之介が交流戦で1軍デビューを飾った。3試合に登板して、初勝利こそ得られていないが、随所に光るピッチングを見せている。未来のドラゴンズを担う左腕についてOBで評論家の小田幸平氏に話を伺った。

2016/06/21

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スタミナ不足が投球内容に影響

――交流戦の開幕戦でデビューした新人の小笠原慎之介投手についてお伺いしたいと思います。これまで3試合に登板して0勝1敗、防御率は3.60と結果は伴っていませんが、小田さんはどのようにご覧になりましたか?

小田 初登板はさすがに緊張していましたね。四球を7つも与えてしまったのも緊張が原因でしょう。3試合を見ていると、徐々に良くなっているという印象を受けます。全体的によく投げていると思いますよ。ただ、高校時代に比べて球威が落ちているように見えるのが気になるところですね。

――なるほど。

小田 あと、スタミナが足りないと思います。3試合とも5イニングで降板していますが、最後のほうはヘロヘロになっていましたし、16日のロッテ戦でランナーとして1塁から3塁へ走った後の回の投球もバテ気味でした。球速もガタッと10キロ近く落ちていたので、それが気になる点ですね。

――ピッチングに関してはいかがでしょう?

小田 やっぱり素晴らしい球を投げますね! ロッテ戦の1回、打者3人をいずれも三振でアウトを取ったところは素晴らしかったです。ただ、変化球を打たれることが多いんですよ。それはバッテリーで見つめ直さなければいけないポイントだと思います。

――たしかにロッテ戦では変化球の制球に苦しみ、甘くなったところを痛打されていました。

小田 反省材料として「変化球のコントロールを向上しなければいけない」と言われているのですが、僕はそこじゃないと思うんです。

――と言いますと?

小田 左で150キロ近く投げられるのは天性のものですし、そんなピッチャーは限られているわけですから、もっとストレートで攻めていってもいいでしょう。今から変化球でピッチングをまとめる必要はないと思います。

――変化球を磨くより、ストレートでぐいぐい押すピッチングをしたほうが良いということですね。

小田 今はストレートが全体の65%ぐらいなのですが、75%、80%ぐらいまで増やしてもいいと思います。僕がリードするなら、どんどんストレートで押していくでしょう。
 今は、相手の打者にも「いつか変化球を投げてくるだろう」と読まれてしまっていて、そこを打たれている気がしますね。ロッテの清田にもチェンジアップを狙い打たれていました。それがちょっともったいない。

――逆に言えば、それだけ小笠原投手のストレートが素晴らしいということですよね。

小田 そういうことです。高校時代のビデオを見返して、当時の攻め方を思い出してみるのもいいと思いますよ。

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