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【6月17日~19日交流戦最終節展望】巨人・菅野と千葉ロッテ・涌井のエース対決、どちらに軍配?

2016年6月17日~19日までの交流戦最終節、勝負のポイントはどこにあるか。

2016/06/17

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4連敗の中日は平田の穴を埋められるか

阪神(セ・4位)―ソフトバンク(パ・1位) 甲子園

 

 この10戦3勝7敗と大きく負けが込んでいる阪神がパ首位のソフトバンクを相手にどこまで肉薄できるか。スライド登板となった初戦先発の藤浪のピッチングが注目される。両者の調子からしても苦しい戦いにあるのは分かっているが、天からの強運か。ここで藤浪がマウンドに立つということの意味は大きい。王者にどれだけのピッチングができるか。岩貞やメッセンジャーら、調子がいい投手が控え、ソフトバンクに立ち向かう。打線はベテランの福留頼みを何とか脱却したい。西岡を外野起用するなど、戦略を練っているが、どれも形になっていない。継続的な起用、あるいはトレードも視野に入ってきている。

 ソフトバンクは、調子に波がない。今月はまだ3敗しかしておらず、ペナントレース・交流戦と部類の強さを発揮している。投手陣の安定感と厚みのある打線。つけ入るスキは見当たらない。初戦の先発は中田が務める。ソフトバンクの投手陣のなかではやや安定感に欠けるが、阪神との対戦歴を生かしたい。2戦目の千賀は今季負けがなく、武田も7勝1敗と安定感が光る。二人は競っているかのようにも見え、相乗効果で結果を残している。打線は1番・今宮、2番・城所という2016年型の新オーダーが出来上がり、柳田、内川、松田の安定感も爆発力もある中軸へとつないでいる。最近は下位打線の鶴岡や牧原にもあたりが出始め、もはや手が付けられない。甲子園でいいフィニッシュを迎えたはずだ。

 

中日(セ・4位)―日本ハム(パ・3位) ナゴヤドーム

 

 よもやの4連敗を喫した中日は踏ん張りどころだ。15日を除いて接戦に持ち込みながら敗戦だけに何とか打開したい。初戦の先発はジョーダンが務める。ここ3試合、勝ち星がついていないとはいえ、防御率は2.30(規定投球回数外)と安定感はある。2戦目は前回登板で完投勝利を挙げてケガからの復活を印象付けた大野が登板の予定で、3戦目は吉見と先発陣は盤石といえる。打線は平田が故障で欠場するなど、安定感を欠く。3人の外国人でクリーンアップを組み、1番の大島、6番の堂上をどう生かしていくかだろう。粘って1点を上回って勝ち抜く試合を展開したい。

 終盤にきて3連勝の日本ハムは、ここをしっかり取ってレギュラーシーズンにつなげたい。先発陣は、メンドーサ、吉川、大谷の予定だ。メンドーサは4月以来負けがついていないとはいえ、決して、昨シーズンほどの安定感があるわけではない。後半から調子を上げていく上でも、しっかり勝ちきりたい。3戦目の大谷は二刀流での登板になる。圧巻の投打を見せてきているが、交流戦は最終登板となるゲームでどんなパフォーマンスを見せるだろうか。打線は相手投手によって組み替えて臨むことになる。1、2戦目は左になるため、陽を1番に復帰させるか注目される。レアード、田中の調子がよく1、2番の出塁する形さえできれば、得点は挙げられる。調子はかなり良いとみている。

 

ヤクルト(セ・6位)― 西武(パ・4位) 神宮

 

 両リーグ最速の40敗を喫したヤクルトは兆しがみえない。今月は3勝しかできておらず、パ首位のソフトバンクとは対照的だ。投手陣をどう立て直すことができるか。初戦の先発は山中が上がる。相手先発が復帰戦となるエースの岸だけに、相手打線を幻惑させ、形を崩すことで2、3戦目へつなげたい。ルーキーの原樹理もいない現状をどう打開していくのか。打線は3人がセの打率10傑に名を連ねるなど、好調をキープしている。ただ、それだけ強力な打線も、序盤に水をあけられては、振りが荒くなる。しっかりゲームを作って、打力勝負に持ち込むしかない。

 西武は前節3連敗を喫した。4番・中村、獅子奮迅の活躍をしてきた牧田が負傷で離脱し、苦境に立たされている。この状況下で復帰を果たすのがエースの岸だ。シーズン序盤の中4日ローテーションで故障を余儀なくされたが、彼が好投を見せれば、菊池ら若い投手陣に落ち着きをもたらすはずだ。2戦目の多和田は、大学時代に大記録を達成した舞台に戻ってくる。自身の評価を高めた聖地でプロ1勝を挙げたい。打線は中村不在だが、秋山、栗山、メヒアらが打線を作っている。エースが復帰した初戦は是が非でも落とせない。

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