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オリックスの4番T-岡田完全復活。『僕が打つことでチームの雰囲気が変わればいい』【どら増田のオリ熱コラム #75】

オリックスのT岡田が復活の兆しを見せている。これまで幾度となく復活と停滞を繰り返してきたが、果たして、今回の覚醒は本物か。どら増田がリポートする。

2016/06/09

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満を持しての4番起用

 振り返ると、開幕の頃には絶望に思われた2軍降格が功を奏したということだろう。
 T-岡田はファームでの日々をこう振り返る。

「ファームに落ちたとき、シモさん(下山真二コーチ)と2010年の映像を見て、この時はこうだったとかいろいろと話したんですよ。シモさんの記憶を頼りにして(笑)成績が良かった2014年の状態がいいときはバットを振る感覚があったんですけど、本塁打王を獲った2010年はバットがついてくるという感覚が自然とでていることに気付いて、今は振るんじゃなくて打つという気持ちで打席に立っています」

 一軍に復帰してからT-岡田の打席からは堅苦しさのようなものがなくなった。
それは彼の言葉から「今年は打ったと同時に確信するくらい完璧な当たりのホームランが多い」と談話に「完璧」という言葉が盛り込まれていることからも窺い知れる。田口壮二軍監督は「5月に昇格しても20本は打つ」と太鼓判を押したというが、7日現在で12本と20本塁打は射程圏内だ。

 今後、T-岡田に求められているのはチームの中心選手として存在感を放つことができるかだろう。
 今、現在、任されている4番という打順こそ、今の果たすべき彼の役割だ。

「打順に関しては特に意識してないですね。何番にいても繋ぐ気持ちを持ってランナーを返すことしか考えてません」

 本人は打順に関してそう語っていたが、4番を務めた試合は6勝1敗(7日現在)と主砲としての役割もしっかりと果たしている。さらには、助っ人外国人のモレルが抹消されたことにより一発を期待できるT-岡田が4番に固定されたのはチームにとっても大きい。福良淳一監督も「(打てなくても)Tは状態がいいから」と満を持して起用した4番に対して信頼を置いている。

「僕が打つことでチームの雰囲気が変わればいい」

 2010年はT-岡田の活躍により、球団統合後唯一の勲章である交流戦優勝を飾っている。あの頃の気持ちを取り戻し、完全復活に向けてバク進中のT-岡田がホームランを打ち続けることでチームは上昇していくに違いない。

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