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辣腕代理人起用からの急転直下 オリ金子、ポスティング断念の背景は?【豊浦彰太郎のMLB on the Web】

オリックスから国内FAを宣言した金子が、ポスティングシステムを使ってのメジャー移籍断念を発表した。代理人のアーン・テレム氏と契約した直後だけに、心境の変化には驚かされる。その間何があったのか?

2014/11/26

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ポスティング移籍断念表明後に、右ヒジの手術を決断

 しかし、オリックスはそうしなかった。

 明確な報道はないが、金子がここに来て急に「断念した」のは、球団側が認めそうもないという判断に基づくことは間違いないだろう。

 25日に金子は右ヒジの手術を受けることを明らかにしているが、ヒジに違和感を感じたのは23日だという。その翌日にそれを理由に即「断念」を表明するとは考えにくい。

 したがって、ヒジの違和感が今回の「断念」判断に結びついたわけではないだろう。

 だとすると、オリックスは単純な損得勘定を超えて「非容認」を決断したことになる。

 ビジネスの世界で損得を超える判断基準は「信条」だが、オリックスがそこまで骨太な信条を持っていたとは思えない。そうなら、もっと早い段階で「ウチはポスティングなどやりません」と明確に金子に宣言するはずだからだ(金子同様にメジャー志向が強い糸井嘉男にはあっさりポスティングは認めないことを通告していたが、これは信条というより日本人野手の評価が低い現時点で彼のポスティングを認めても、球団がメリットを感じられるだけの入札額が見込めないためだろう)。

 テレムを代理人として雇い入れた段階では、金子はポスティング移籍に強い意志を持っていたことは間違いない。それが1週間足らずでこの急転直下となった。

 今後、金子は先に上げた①のオリックス残留か、②の国内移籍の二者択一となる。
 また契約内容にポスティングによるメジャー移籍を容認する項目が盛り込まれるのかにも注目したい。

出典:”Free Agent Notes: Kaneko, Shields, Gomes, Willingham, Hunter” by Jeff Todd in MLB Trade Rumors in Nov. 18 2014

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