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辣腕代理人起用からの急転直下 オリ金子、ポスティング断念の背景は?【豊浦彰太郎のMLB on the Web】

オリックスから国内FAを宣言した金子が、ポスティングシステムを使ってのメジャー移籍断念を発表した。代理人のアーン・テレム氏と契約した直後だけに、心境の変化には驚かされる。その間何があったのか?

2014/11/26

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代理人のアーン・テレム氏と契約を締結し、準備を進めていた金子

 11月24日、オリックスから国内FAを宣言していた金子千尋が「このオフはポスティングを要求しない方向で考えている」とコメントしたことには驚かされた。

 個人的には、ポスティングを金子が望みオリックスが容認することはほぼ間違いないだろう、と思っていたからだ。それは、このつぶやきがきっかけだった。

Powerful @Wasserman NBA & MLB agent Arn Tellem has signed Japanese baseball star pitcher Chihiro Kaneko.
ワッサーマン社でNBAとMLBを担当する辣腕の代理人アーン・テレムは日本球界のスター投手、金子千尋と契約した。

 これは、『スポーツビジネス・ジャーナル』紙のリズ・ミューレン記者の11月18日のツイートだ。テレム氏は、現在ダルビッシュ有(レンジャーズ)や岩隈久志(マリナーズ)を顧客に持つ代理人で、かつては松井秀喜(ヤンキース他)とも契約していた。金子は国内FAを宣言したが、これはメジャー移籍に向けた球団へのポスティング要請への布石と見られた。このツイートを引用し、『MLB Trade Rumors』も以下のように報じている。

Though not available to MLB clubs at present, righty Chihiro Kaneko could become a virtual free agent (in the same manner as Masahiro Tanaka last year) if he is posted by the Orix Buffaloes.
現時点ではMLB球団が手を出せる状態ではないが、右腕投手金子千尋は、オリックス・バファローズが(昨年の田中将大のケースと同様に)ポスティングに掛け、事実上のFAになる可能性はある。

 確かにそうだろう。国内FA権を持つ金子の進路に関する可能性は、①オリックスと再契約する、②国内他球団に移籍する、③オリックスがポスティングにかけMLBへ移籍する、の3通りだった。

 この場合、オリックス側の損得で言えば、①なら戦力的なダウンは回避できるが、推定2億円とも報じられる今季年俸を大幅に上回る条件提示が必要だ。国内FA移籍の②の場合は、今季年俸分が浮きかつ獲得球団から金銭補償も得られるが、人的補償を得ても戦力ダウンは否めない。③の場合も戦力ダウンは②と同じだが、彼の評価が最高に高まっていたこのオフなら、ポスティングフィーは昨季の田中同様に上限の2000万ドル(約23億円)に達する可能性は十分ありうる。

 だとすると、みすみす国内FA移籍されるよりは、ポスティング移籍を容認したほうが明らかに得だと考えられた。

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