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「21Uの日本の投手陣は素晴らしい」――台湾のスポーツ記者が見た日本野球

 IBAF主催の野球21Uワールドカップは、11月7日に1次ラウンドが開幕、13日には2次ラウンドに進んだ。日本は一次ラウンド4戦全勝でAグループトップ、2次ラウンドも韓国を下して5戦全勝。11月15日には、同じく4戦全勝でBグループトップ、2次ラウンドでオーストラリアを下したチャイニーズ・タイペイとの全勝対決を迎えた。結果は6-2で日本の勝利(その後同一カードとなった決勝戦ではチャイニーズ・タイペイに敗れた)。日本が勝利した試合後、台湾の四大紙の一つである蘋果日報(ひんかにっぽう)の記者に日本野球の印象を聞いた。

2014/11/20

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Koh Hiroo



 今回、蘋果日報のスポーツ記者2人がインタビューに応じてくれた。

 謝岱頴記者は47歳でスポーツ記者歴20年のベテラン。王翊亘記者は28歳、4年目の気鋭記者だ。袁嘉廸氏に通訳を頼んだ。
 なお筆者の質問に対して、二人の記者が相談して応えてくれた。

謝さん(右)王さん(左)
↑取材に応じてくれた謝岱頴記者(右)と王翊亘記者

チャイニーズ・タイペイと日本、選手層が違う

――今日の試合結果(日本が6-2で勝利)について感想をお願いいたします。

 両チームの実力差はそれほどないと思う。ただ今日のチャイニーズ・タイペイには、プロは一人しかいない(試合出場は陳品捷のみ。他に投手として元巨人の林羿豪と、西武入りが決まった郭俊麟がいる)。

 台湾にはプロチームが四つしかないので、アマチュアの有力選手でもプロ入りしない選手も多い。社会人野球(ポップコーンリーグ)では予選をして選手をセレクトしたが、やはり今日の顔ぶれはベストとは言えないと思う。

 ただ、日本の野球は細かい部分がしっかりしている。今日のチャイニーズ・タイペイは、守備でのミスが多かった。そういうところは日本を見習わなくてはならない。

――日本の先発の上沢は、NPBで今季8勝を挙げた投手。その他の顔ぶれも大部分がプロ選手です。

 (チャイニーズ・タイペイにも)海外でプレーをしている選手の中には上沢のような選手もいる。アメリカのマイナーリーグでプレーしている選手も多い。しかしこういう大会には出場しない。

――印象に残った日本人選手は?

 鈴木誠也(広島東洋カープ、この試合でも三塁打を打つ)は素晴らしい。足も速いし長打力もある。ただ、侍ジャパンは野手よりも投手のほうが良い。先発、 救援ともにすばらしい。打者は相当落ちると思う。

――最近のチャイニーズ・タイペイは日本とも好勝負をしています。また韓国によく勝っていますが、実力が上がったからでしょうか?

 韓国ともまだ実力の差は大きいと思う。日本、韓国、チャイニーズ・タイペイの3カ国でトップ選手だけでチームを作ったらそれほどの差はないと思う。

 しかし、各国が3チームずつ作るとすれば、チャイニーズ・タイペイの第2、第3チームは下位に沈むだろう。
 つまり、良い選手はいるのだが数が少ない。層が薄いということだ。

――それでも、韓国には今回の大会でも勝っています(第一ラウンドで7-1で韓国を下す)。

 民族性の問題があって、韓国には全力で勝ちに行く(笑)。反対に日本に対してはそういう感情がない。

 特にテレビで見た有名選手と対戦するときは、気後れする感じがある(笑)。そういうことが影響しているかもしれない。

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