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古巣・広島で息を吹き返した新井貴浩。一時は記録達成危ぶまれるも……山あり谷ありの2000安打

4月26日、カープの新井貴浩がついに通算2000本安打を達成した。この記録を達成するまでの道のりは、決して平坦ではなかった。

2016/04/27

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アニキと同じ阪神へ

 2008年には、尊敬する先輩、金本の後を追って阪神に入団。2009年からは3年連続で全試合出場を果たし、阪神でも主軸打者として活躍した。2009年オフにはプロ野球選手会長に就任、2011年3月の東日本大震災では、選手会を一つにまとめて被災地支援を行った。この年に打点王を獲得も、持病の腰痛の悪化もあって、成績は次第に低下した。

 2014年には43安打、打率.244。この時点での通算安打数は1854本。2015年に38歳となった新井にとって、2000安打に到達するのは難しいと思われた。
 このオフに自ら申し出て阪神を自由契約になった新井は、8年ぶりに広島に復帰。
 ニューヨーク・ヤンキースから復帰した黒田博樹とともに、「男気」をたたえられた新井は、再び息を吹き返し、2015年は125試合に出場し117安打を打ち、見事に復活を果たした。

 2000安打を打った47人のうち、35歳を過ぎてシーズン安打が一旦50本以下に落ち込んでから再び100安打を記録したのは、新井の他には中村紀洋しかいない。

 2000安打まであと29本に迫っていた2016年も好調を維持し、見事大台をクリアした。

 2000安打を打った47人のうち、新井を含む28人は複数のチームでプレーしているが、入団時の古巣チームに復帰したのは、門田博光、小久保裕紀、新井貴浩の3名のみ。

 1998年ドラフト組のそうそうたる顔ぶれの中で、“名球会入り”したのは、今のところ新井貴浩と岩瀬仁紀だけだ。
 いろんな意味で、新井貴浩は、記録にも記憶にも残る選手だといえるだろう。

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