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5番に課題。中日は「守りの野球」を追求すべし【小田幸平の眼】

開幕から15試合を終え、7勝6敗2分と「悪くない」滑り出しを見せた中日ドラゴンズ。ここ最近の好調ぶりを、ドラゴンズOBで評論家の小田幸平氏に分析してもらった。

2016/04/16

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打線の弱点は“5番”にあり

――野手のほうはいかがでしょう?

小田 まず、(堂上)直倫をショートにしたことが良かった。守りから勝ち取ったレギュラーですよ。アイツの守備は目を瞠るものがありますね。4月5日のDeNA戦では、一二塁間のランダウンプレーから本塁に突入したランナーを好判断で刺しました。4月8日の巨人戦でも好プレーを連発して大野を助けていましたね。どれも直倫じゃなければアウトにできなかったと思います。安心感がハンパないですよ。

――いずれも勝ちにつながる守備でしたね。打つ方はいかがですか?

小田 打線で問題なのは5番バッターですよ。5番バッターが決まらないから、4番のビシエドが歩かされて5番で勝負されていますよね。だから点が取れていない。

――ナニータ選手、谷選手、福田選手、赤坂選手が日替わりで5番を務めましたが、結果が出ていません。

小田 3番の周平と4番のビシエドの調子がいい分だけ、5番が重要になるんだけど、申し訳ないけど今は相手に「あ、大丈夫だ」と思われてしまう選手しか入っていないんだよ。これで森野が復調して5番に入れればいいんだけどね。

――平田選手の復帰も待たれますね。懸案だった捕手については、杉山選手と桂選手が交互に起用されて安定してきたように見えます。小田さんはどうご覧になりますか?

小田 僕は良くないと思っているんです。今は併用でうまくいっていますが、やっぱり正捕手が一人でどっしり座っているほうがいい。去年、ヤクルトは中村(悠平)が正捕手として活躍したから優勝できたんですよ。

――正捕手が一人に決まると、どのような良い効果があるんでしょう?

小田 チームがナメられないんです。誰が正捕手か言えないような状況のチームは、相手も怖がらないんですよ。谷繁さんなんて、まさに相手に怖がられる正捕手でしたからね。あと、対戦が一回りしましたが、一人が全部の試合で捕手を務めていれば、次の対戦でまた違う攻め方ができるようになるんです。

――なるほど、正捕手が決まっていれば、相手チームについての情報を集約させて、それを元にリードを組み立てることもできるわけですね。

小田 正捕手には、チームをまとめる役割もあります。切磋琢磨するのもいいけど、どちらかに頭一つ抜け出してもらいたいですね。

――これからドラゴンズが勝ち星を積み重ねていくには、どのようなことを行っていけばいいと思われますか?

小田 まず、「守りの野球」をやっていくことです。谷繁監督も「守りの野球」を強く意識しているはず。守りを固めてから、打つほうも奮起してもらいたいですね。守りからリズムを作る、それがドラゴンズらしい戦い方だと思います。多くのファンの方に応援に来ていただきたいですね。4月24日(土)の『春の竜陣祭』では、お昼12時からナゴヤドームのオープンデッキでトークショーをやるんですよ。その後、試合の解説もやるので、みんな見てくださいね!

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小田幸平(おだ・こうへい)
1977年3月15日、兵庫県高砂市出身。ニックネームはODA(オーディーエー)。市川高校、三菱重工神戸を経て、97年ドラフト4位で巨人に入団。06年に野口茂樹の人的補償として中日に移籍。谷繁元信現監督の控え捕手として、チームのリーグ優勝3回、日本一1回に貢献。現役引退後は野球解説者はじめトークショーや講演、野球教室、イベントなど精力的に活動している。

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