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年間200個超えも。史上最多記録へハイペース、四球攻めに苦しむソフトバンク柳田悠岐

ソフトバンクの柳田の四球数が開幕から多い。歴代の記録を見ても、そのペースの速さは一目瞭然だ。

2016/04/14

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王を圧倒的に上回るペース

 NPBのシーズン四球記録10傑は以下の通りだ。

1.王 貞治(巨人1974年)158個 1試合当たり1.22個
2.王 貞治(巨人1966年)142個 1試合当たり1.10個
3.王 貞治(巨人1965年)138個 1試合当たり1.02個
4.王 貞治(巨人1967年)133個 1試合当たり0.98個
5.金本知憲(広島2001年)128個 1試合当たり0.91個
6.王 貞治(巨人1977年)126個 1試合当たり0.97個
7.王 貞治(巨人1976年)125個 1試合当たり1.02個
8.王 貞治(巨人1973年)124個 1試合当たり0.95個
9.王 貞治(巨人1963年)123個 1試合当たり0.88個
9.王 貞治(巨人1975年)123個 1試合当たり0.96個

 王貞治は22年の現役生活で16年100以上の四球を選んでいる。通算2390四球は、2位の落合博満の1475四球を915個も上回っている。
 総打席数の2割以上を四球で歩かせられながら、史上1位の868本塁打を記録したのだ。

 しかし、柳田の四球のペースはそれをはるかに上回る。確かに柳田は昨年のMVPであり、パリーグ最強打者と言って良いだろうが、投手が柳田を過剰に恐れているといわざるを得ないだろう。

 MLBの最多四球記録は2004年にサンフランシスコ・ジャイアンツのバリー・ボンズの232個(1試合当たり1.58個)だ。
 この年のボンズは、135安打+232四球+9死球の376出塁。出塁率は.609に達した。もちろん史上1位だ。

 柳田は往年のボンズに匹敵する強打者になった、ともいえるが、2年連続トリプル3という目標がある柳田にしてみれば、うれしくないだろう。

 さすがにこのペースは徐々に下がってくるだろうが、今季の柳田は「勝負してくれない」ことに悩まされ続けるだろう。
 それを解消するためには、少しでも柳田に集中する相手投手のマークを分散させることが必要だ。内川聖一、松田宣浩ら、柳田の前後を打つ打者のさらなる奮起が待たれる。

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