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2016年パ・リーグ順位予想。ソフトバンクが独走V、3位は3チームに可能性【小宮山悟の眼】

いよいよ25日に2016年のプロ野球ペナントレースが開幕する。恒例の今季の順位予想をしてみたい。

2016/03/25

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クライマックス進出の残り1枠は3チームの争い

 3位から5位には、西武、オリックス、ロッテの3チームを横並びに評価する。団子状態の争いになると思うので、敢えて3.5位とさせてもらった。3チームのうち、最も健康なところ……つまり怪我人の少ないチームが上位に来るだろう。
 
 3チームの中で一番バランスの取れているのは西武だ。岸、菊池を中心とした先発陣もある程度駒が揃っているし、打線にも秋山、中村、メヒア、浅村など好打者が並ぶ。決して選手層は厚くないので、ポイントは、先ほども書いたように故障者の有無になるだろう。
 
 オリックスは昨季、開幕からつまずいて5位に終わった。優勝したソフトバンクの対抗馬一番手と予想していただけに、何とも残念な結果だった。原因は怪我人が続出したこと。一昨年のシーズンで最終戦まで優勝を争う激戦を繰り広げたにもかかわらず、精力的すぎるキャンプを送っていた。オーバーワークの可能性はこの連載でも触れたが、残念ながらその危惧が現実になってしまったわけだ。
 今年はきっと、昨年の反省を生かしたのだろう。キャンプでは、かなり控えめに調整している選手が目立った。むしろ緩めすぎと言ってもいいくらいだ。これでは、怪我人の数は抑えられるかもしれないが、仕上がり不足の可能性も高い。昨年とは違う理由でスタートダッシュに失敗しないか心配している。具体的なポイントを上げれば、病気で離脱した安達の穴をどう埋めるか。金子が開幕から働けそうな点は心強い。
 
 私は順位予想をする上で、投手力を最も重要視している。打線に比べて計算が立ちやすいので、投手力の充実したチームが大崩れすることはまずない。そういう意味で、今季のロッテには期待が持てる。石川、涌井、大嶺祐、スタンリッジという先発陣のメンツはリーグトップクラス。中でもプロ3年目の二木に注目したい。キャンプでは本当に素晴らしいボールを放っていた。個人的にはかなり活躍してくれると期待している。また、ブルペン陣も、松永、大谷、内、西野と好投手揃いだ。このブルペンスタッフにさらに藤岡が加わる(個人的には先発で起用してほしいと思っているが……)。これで13年セーブ王の益田が復調したら万全だろう。
 一方、野手に関して昨年のメンバーを戦力分析すると、右の長距離打者が一枚欠けていた。だからこそ、逮捕されたナバーロの出場停止処分による出遅れが痛い。個人的には、右方向に打つ技術はデスパイネよりも上だと思っている。まともに開幕からプレーできたら、打率3割、30本塁打、100打点の数字はマークできる打者だ。ナバーロの不在がどれだけ響くか。ポイントはそこになるだろう。
 
 6位予想の楽天は、他チームに比べ戦力で明らかに遅れを取っている。楽天を単独で戦力分析すれば、それほど悪いチームには映らないが、パリーグの他チームが充実しているだけに、どうしても見劣りしてしまうのだ。キャンプで梨田監督と話した時には、ベテラン監督らしい「どっしり」とした印象を受けた。それは裏を返せば、「それほど焦っていない」とも言える。13年に日本一を達成してから、坂道を転げ落ちるように低迷してしまったチームをどう立て直すのか。今年はそのとりかかりとなるシーズンになるのではないか。
 
 
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P88 S0401660
 
小宮山悟(こみやま・さとる)
 
1965年、千葉県生まれ。早稲田大学を経て、89年ドラフト1位でロッテ・オリオンズ(現千葉ロッテマリーンズ)へ入団。精度の高い制球力を武器に1年目から先発ローテーション入りを果たすと、以降、千葉ロッテのエースとして活躍した。00年、横浜ベイスターズ(現横浜DeNAベイスターズ)へ移籍。02年はボビー・バレンタイン監督率いるニューヨーク・メッツでプレーした。04年に古巣・千葉ロッテへ復帰、09年に現役を引退した。現在は、野球解説者、野球評論家、Jリーグの理事も務める。

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