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唯一毎月2勝以上を達成 際立つ金子千尋の安定感【2014年タイトルホルダー 最多勝編】

2014年の最多勝のタイトルに輝いたのはパリーグはオリックスの金子千尋。セリーグは阪神のメッセンジャーと中日の山井だった。特にセリーグは大混戦。最多勝を争ったセリーグのエースの月別の数字らと比較してみても、金子の安定感が際立っている。

2014/11/12

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抜きつ抜かれつのセリーグ。最後に山井が追いついた

 セリーグの最多勝は13勝でメッセンジャーと山井大介が獲得した。13勝でのタイトルは、セリーグでは最少記録、98年のパ・リーグと並ぶ少ない勝ち星だ。

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 勝ち星が少なかったこともあり、激しいタイトル争いとなった。

 まず開幕から飛び出したのは菅野智之。3・4月は6試合投げて負けなしの5勝と先行した。
 5月は井納翔一が5試合を投げ4勝負けなしで菅野に並ぶ。以後は井納が引っ張る形となり、7月25日にリーグ一番乗りで二桁勝利を挙げた。

 夏場に健闘したのが久保康友。それまで防御率は4点台、3点台で、なかなか勝利を積み重ねるには難しい状況だったが、7月は防御率が2.79、援護率も8.16、悠々の投球で4勝。7月を終えた時点でトップを行く井納に1勝差まで詰めた。

 メッセンジャー、前田健太ら上位チームの主戦投手は大型連勝はなかったが、大型連敗や勝ち星がつかない登板が続くことも少なく、安定して白星を積み重ね、終盤戦に入り最多勝争いに顔を出してきた。
 8月を終えて井納、久保、メッセンジャーが11勝でトップに並び、1勝差で前田が追いかける展開となった。

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 井納、久保のDeNA勢力は優勢に見えたが、雨天順延分が日程に組み込まれたことによる連戦が続き、チームの投手陣の台所事情が苦しかったことも影響してか、9月以降は勝ち星に恵まれなかった。

 菅野は8月に約1カ月の登録抹消があり、復帰後3連勝したが最多勝には届かなかった。クライマックスシリーズに向けて熾烈な2、3位争いをしていた阪神のメッセンジャーは9月3章、前田は1勝でエースの勝ち星がチームの順位にも影響を及ぼした。

 メッセンジャーは最後の踏ん張りが効いて自身初の最多勝に輝いた。

 伏兵だったのが、山井。開幕戦から14試合を投げて黒星がつかず7連勝、しかし7月は未勝利で、最多勝争いの圏外と思われていた。
 それがチームが7勝20敗と大失速した8月に2勝を挙げると、9月にも3勝し12勝。10月2日の横浜戦で6回2/3を1失点で投げ切り勝利。

 メッセンジャーに追いつき、最多勝獲得となった。

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