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2016年社会人チーム注目は日本通運。古豪復活へ監督を変化させた、選手からの一言

プロ野球12球団が2月1日に一斉にキャンプインしたが、社会人の各チームも続々と2016年シーズンに向け春季キャンプを行っている。

2016/02/13

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宮野敦子



自分の思いを直接伝える重要性

サブグラウンドで特守を受ける大谷昇吾

練習を取材していると、これまでは指導をコーチに任せ、全体を俯瞰していた藪監督が、グラウンドに出て直接アドバイスを送ったり、ジェスチャーを交えて技術指導する姿が目についた。その理由を尋ねると、こんな言葉が返ってきた。

「昨年の日本選手権一回戦は、4-2でJR北海道に勝ちましたが、4-1でリードしていた9回表の攻撃をあっさり4球で終えたんです。最後の守りに就く前に、なぜ粘り強く攻められなかったのかと疑問に感じていたところ、やはりその裏に無死満塁と攻め立てられ、何とか1点に凌いで逃げ切った。宿舎に戻った後のミーティングで、さすがに黙っていられず、そのことを指摘したんです。そうしたら、ベテランの澤村幸明(昨年限りで現役引退)が私の部屋に来て、『監督、ああいう指摘をもっとしてください』という。その言葉にヒントがありました」

藪監督は、4名のコーチに全幅の信頼を寄せている。
普段から十分なコーチ・ミーティングも実施しており、自分の考えはコーチを通じてしっかり伝わっていると感じている。それでも、ここという場面では自分の思いを直接、自分の言葉で伝えることも大切なのだと再認識し、今春のキャンプでは積極的にグラウンドへ出ていくことにしたのだ。

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