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驚異の守備力で中日のAクラスに貢献。史上最高の二遊間は「アライバ」

センターラインの固定はチームの強化において必要不可欠とされる。捕手、そして内野は二遊間がそれに該当する。

2016/02/10

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球史に残るアライバの存在感

 二遊間の守備率ベスト10を見てみる。
 
1.2005年ロッテ 守備率.9942 アウト数852 失策数5
 二塁・堀幸一 遊撃・小坂誠 
2.2001年中日 守備率.9940 アウト数1001 失策数6
   二塁・立浪和義 遊撃・井端弘和
3.2004年中日 守備率.9929 アウト数1407 失策数10
   二塁・荒木雅博 遊撃・井端弘和
4.1992年オリックス 守備率.9927 アウト数947 失策数7
   二塁・福良淳一 遊撃・小川博文
5.2003年中日 守備率.99254 アウト数1065 失策数8
   二塁・荒木雅博 遊撃・井端弘和
6.2005年中日 守備率.99251 アウト数1590 失策数12
   二塁・荒木雅博 遊撃・井端弘和
7.1994年日本ハム 守備率.9918 アウト数1204 失策数10
   二塁・白井一幸 遊撃・広瀬哲朗
8.2011年ヤクルト 守備率.9915 アウト数1289 失策数11
   二塁・田中浩康 遊撃・川端慎吾
9.2005年日本ハム 守備率.9913 アウト数907 失策数8
   二塁・木元邦之 遊撃・金子 誠
10.2000年ヤクルト 守備率.9911 アウト数1115 失策数10
   二塁・土橋勝征 遊撃・宮本慎也
 
 現代のトップクラスの二遊間は、1シーズンを守り通して2人でほぼ10個以下の失策数なのだ。
 ちなみにアウト数で歴代4位の1956年阪急のバルボン、河野旭輝の二遊間はアウト数1498だが、失策数は81、守備率は.949だった。
 グラブの性能が向上し、グラウンドの整備が進んだことも大きいが、1950年代と21世紀では内野守備の次元が違っていることがわかる。
 
 二つのランキングには中日の二塁・荒木雅博 遊撃・井端弘和のコンビ、通称「アライバ」が何度も登場する。
 
 2002年に荒木雅博が外野から二塁にコンバートされ、井端弘和とコンビを組んでから8年間、「アライバ」は、リーグトップの二遊間だった。
 落合監督(当時)は、2010年に井端の年齢を考えて二塁井端、遊撃荒木にWコンバートする。井端はそつなく二塁守備をこなしたが、荒木は遊撃で2010年20失策、2011年も17失策を記録。このコンバートはうまくいかなかった。
 
 2012年に再び「アライバ」が復活すると、再びアウト数は1426と歴代9位の数字を残した。
 
 守備の精度の高さ、守備範囲の広さ、そして8年以上の長きにわたって鉄壁の二遊間を築いた息の長さを考慮すると「アライバ」こそが、NPB史上最高の二遊間だと言えよう。
 この間中日は優勝2回を含め、すべてAクラスだった。

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