チュートリアル徳井義実さん 〝勝つことにがんじがらめ〟のカープはおもしろくない！
今季は残念な結果に終わってしまったカープ。最後の最後までカープファンは諦めずに熱い声援をチームに送った。芸人・チュートリアルの徳井義実さんは、カープファン歴およそ30年。テレビ朝日の人気トーク番組『アメトーーク』のカープ芸人特集でも存在感を発揮しているのは周知のとおりだ。今回は改めて、その徳井さんのカープ愛、優勝に対する〝カープファンならでは〟の思いを皆さんにお伝えしたい。 （『ベースボールサミット第4回』P.146-P.149を一部抜粋 取材日は9月1日に行われました。期間限定での公開となります。）
2014/11/11
Kenzaburo Matsuoka
「ミットより少し上を狙いなさい」と大野豊さんから貴重なアドバイス
――『アメトーーク』の放送の中でもおっしゃられていましたが、大野豊さんの大ファンだそうですね。大野さんのどこに、もっとも魅力を感じますか。
一番好きなのは、球筋です。沈み込んだ体勢から投げて、キャッチャーミットまでビュッといく、文字通り、矢のようなストレート。フォーシームでスピンがかかっているからだと思うんですが、すごくきれいですよね。それと、右バッターの膝下にズドンと曲がってくるカーブ。子ども心にカッコいいなと思いました。
――社会人で軟式野球を経験されて、ドラフト外で入団という珍しい経歴です。
華々しく入ってきていないところも好きですね。無表情で淡々と、ただただ実直にミットへ投げていくスタイルと似て、大野さんらしい入団の仕方やと思います。
――実際に、球場で観られたことは？
小学校のときに一回だけあります。近所の散髪屋のおっちゃんが、「そんなに好きなんやったら連れていったるわ」って。そこまで仲がよかったわけじゃないんですけど、甲子園に連れていってもらいました（笑）。
――そのときのピッチングの内容は？
どうやったろ。抑えに回られてた時期だったんですけど･･･どうやったかな？ いや、勝った、勝った、勝ちましたね。確か、負けた阪神ファンから「はよ帰れ！」って、メガホンとか紙コップを投げつけられたんで、勝ったはずです（笑）。今は違いますけど、当時の阪神ファンはそんなんやったんで（笑）。
――一昨年、マツダスタジアムで始球式をされたときは、投げる直前に、当時、投手コーチだった大野さんから声をかけられて、肩まで揉まれていましたね。
いやあ、もうすごい経験でしたね。ベンチ横の通路に僕がいて、その通路側に来て僕の肩を揉んでくれはったんです。「大野さんや！」っていうだけでも緊張してるのに、その人に肩まで揉んでいただいて（笑）。でも、そのときに「緊張せずに、キャッチャーミットより、ちょっと上をめがけて投げなさい」とアドバイスしてくれたんです。そうしたら、ちょうどいいところにいくからって。始球式とはいえ、大野さんにピッチングを教えてもらえたということが、めちゃくちゃうれしかったですね。
――本番では、そこをめがけて･･････。
そんな余裕はなかったです（笑）。でも、たまたま、大暴投することも、ワンバウンドすることもなく、いいところにいってくれました。
――いずれは大野豊〝監督〟を観たいと思いますか。
いや、僕は、監督というタイプの人ではないなと。監督って我が強かったり、少なからず強引なところがないとダメだと思いますから。大野さんは、やさしくて、人の気持ちを考えはる人やと思うので、監督となると、ご本人に無理がかかってしまうような気がして･･････。コーチとして選手を横からサポートするほうが向いているんじゃないかと、勝手ながら思いますね。
↑子どもの頃から憧れだったという大野豊さんのピッチングフォームを真似る徳井さん。
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徳井義実（とくいよしみ）
1975年、京都府出身。98年、幼なじみの福田充徳と漫才コンビ『チュートリアル』を結成。ＡＢＣお笑い新人グランプリ優秀新人賞、上方漫才大賞新人賞、M―1グランプリ（07年）優勝など、数々の賞レースでタイトルを獲得。現在は東京を拠点に劇場やテレビ番組などで活躍。