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88年組の代表格・前田健太はメジャーへ。球界のエースを担う大野雄大、このままでは終われない斎藤、大石

田中、前田ら実力ある選手が集まる「88年組」。前田が移籍した今、日本球界を引っ張るエースは中日の大野へ。そして、かつて、この世代のトップだった2人が今年こそ復活なるか。

2016/01/19

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“ハンカチ世代”とも謳われた88年組。かつての主役は斎藤佑樹だった


 かつて88年組の主役は「ハンカチ王子」ともいわれ人気を博した日本ハムの斎藤佑樹だった。10年のドラフト会議で4球団の競合の末、早稲田大学からドラフト1位で日本ハムに入団した斎藤は1年目に6勝6敗、防御率2.69の成績を挙げたが、その後は右肩の怪我もあって5年間で通算14勝19敗と期待に応えることができていない。そして、88年組はいつしか“ハンカチ世代”とも呼ばれなくなっていった。斎藤のプロ5年間の成績は以下の通りとなっている。
 
◆斎藤佑樹 プロ5年間の主な成績
2011年 19試合 6勝6敗 防御率2.69
2012年 19試合 5勝8敗 防御率3.98
2013年 1試合 0勝1敗 防御率13.50
2014年 6試合 2勝1敗 防御率4.85
2015年 12試合 1勝3敗 防御率5.74
 
 06年夏の甲子園では、ヤンキースの田中とともに日本中を沸かせた逸材。しかし、プロに入ってからは、その田中の背中がどんどん遠のいていった。12年に就任した栗山監督が、ダルビッシュが去ったあとのエースとしての期待を「開幕投手」という形で示した。チームはこの年リーグ優勝を果たしているが、斎藤自身は5勝8敗、防御率3.98という不本意な成績に終わった。
 
 ここ3年間は右肩痛の影響でわずか3勝。背水の陣で臨む今季だが、栗山監督からの信頼は不変のようだ。栗山監督は、3月25日のロッテとの開幕戦(QVCマリン)で斎藤の開幕投手の可能性を示唆した。
 
 球界を代表するエースの大谷翔平ではなく、今季わずか1勝の斎藤を本当に開幕投手に任命するのか。“特別扱い”という周囲の雑音もある中、指揮官の期待にどれだけ応えることができるか――。2月から始まる春季キャンプでは一軍帯同が決まった。斎藤の生まれ変わった姿が早くも見られるか注目だ。

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