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内海・大竹・西村は復活なるか?由伸巨人の命運を握る、働き盛りの30代トリオ

2016年、巨人にとってやはり投手陣のデキが大きなポイントになる。

2016/01/15

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経験豊富なベテラン投手の存在価値

今季の巨人ローテ候補で、3年続けて成績を残しているのはエース菅野智之のみ。
フレッシュな顔触れだけに不安要素も多い。
マイコラス、ポレダ、高木勇、田口麗斗といった面々は実質1軍2年目。
杉内の戦列復帰は早くても後半戦からと言われており、もしも彼らが「2年目のジンクス」にハマるようなら先発事情は途端に苦しくなる。
キャンプ1軍スタートが濃厚なドラ1ルーキー桜井俊貴も現段階ではまだ未知数。
20代前半の宮國椋丞や平良拳太郎にチームを背負わせるのも酷だろう。
となると、内海や大竹といった経験豊富なベテラン投手の存在価値が俄然高まる。
昨年こそ不本意な成績に終わったが、12年から14年の3年間で内海は75試合に投げ35勝21敗、大竹は71試合で30勝21敗。
ローテ投手としての実績は今のチームではやはり図抜けている。
 
そして中継ぎ陣も戸根千明、田原誠次、高木京介といった20代中盤の若い投手が多数。
さらにセットアッパーの山口やマシソンの勤続疲労も顕著で、クローザー澤村に万が一のアクシデントがあった時はブルペンは火の車だ。
こうなると、カギを握るのは西村健太朗だろう。
12年から14年の3年間で、なんと189試合に投げまくり計80セーブを記録した球界屈指のタフネス右腕。
昨年9月に手術した右肘の経過も良好で、山口の負担軽減だけでなく、時にマシソンや澤村の代役としても期待が懸かる。
 
現実的に見て、内海や大竹はローテ5・6番手を争うことになる。
西村もまずはロングリリーバーや中継ぎとして起用されるはずだ。
イスは用意されているわけじゃない。
エースやクローザーを守ろうとしていた男たちが、久しぶりに自らポジションを奪いに行く。
30代、プロ野球選手の再出発。
彼らの敵は若手選手ではない。
「全盛期の自分」である。
 
内海哲也33歳、大竹寛32歳、西村健太朗30歳。
過去と闘う男たち。
彼らが復活した時、由伸巨人の初優勝はぐっと現実味を帯びてくるだろう。

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