第３戦吉村裕基の走塁が、シリーズの流れを変えた！【プロ野球評論家・与田剛の眼】
福岡ソフトバンクホークスと阪神タイガースの日本シリーズは、４勝１敗でソフトバンクが制し、３年ぶりの日本一に輝いた。５試合中、１点差が２試合、延長が１試合と、見応えのある戦いを繰り広げた両チーム。そんな中、勝敗を分けたのは何だったのか？ 評論家の与田剛氏に聞いた。
2014/10/31
ホークス日本一を支えた、今宮健太の守備力
私の中で、今回の日本シリーズのMVPは今宮健太です。
突出した成績を残したわけではないのですが、彼の安定した守備力のおかげでソフトバンク投手陣はかなり助けられたと思うんです。
ピッチャー心理として、あれだけ守備範囲の広い内野手がいてくれると本当に楽なんです。
今宮は日本ハムとのCSファイナルで、致命的となるエラーをしてしまった。もちろん、彼自身も相当落ち込んだと思いますし、精神的にも追い詰められたはずです。
でも、そこから這い上がり、日本シリーズでは鉄壁の守りを見せた。
打つほうでも、ヒットはそれほど打てませんでしたが、いい粘りを見せて、バントもしっかり決めた。
彼が普段通りのプレーをしてくれたことがチームに落ち着きを与えたように思えてなりません。
冒頭でも言いましたように、両チームの戦いは紙一重でした。
ただ、ソフトバンクのほうが苦しんで勝ち上がってきた分、いい意味で日本シリーズは開き直ることができた。それが積極性を生んだ。
その少しの差が、勝敗を分けたような気がしましたね。
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