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根本悠楓に求められる粘り――「あと一歩」の積み重ねを成長の糧に【えのきどいちろうのファイターズチャンネル#181】

ペナントレースは大詰めを迎えているが、ファイターズだけ取り残された展開に。しかし若手選手にとっては大きなチャンス。根本悠楓も来季以降の活躍が期待される左腕だ。

2022/09/03

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産経新聞社



主力選手放出も……チーム編成上の失敗

 ベルーナドームの西武21回戦は「プレミアムシートA」の良席で楽しんだ。8月最後の日だ。球場内は蒸し暑いが、コンコースの売店やトイレへ立ち寄ると虫の音が聴こえる。ネット裏の良席は文化放送のシーズンシートで、同局のSプロデューサーと小川真由美アナ、放送作家の近澤浩和さんと僕という、両チームのファンが2対2に分かれる「呉越同舟」観戦にあい成った。
 
 このSプロデューサーという人が良質な反戦ドキョメンタリーを作ってギャラクシー賞、民間放送連盟賞を獲ったりした立派な人なのだが、僕を西武戦に連れてきて10対0くらいでボコボコにするのを無上の喜びとしているのだった。良席に招待してくれるのだから、形の上では「出演者接待」だろうと思うが、いざ試合が始まったら西武が得点するたびに「うははは、やったやったー」と容赦がない。尚ひどいのは山賊打線でボコッておいて、試合後半などに5分くらいラジオ出演させることだ。こちらは「いやもう、カンベンしてください~」とオンエアで泣きを入れるしかない。聴いてるライオンズファンはニヤニヤが止まらないだろう。
 
 この日も顔を合わせたときから「いやぁ、我がライオンズは首位ですからねぇ、ファイターズさんは何位でしたっけ?」と無慈悲そのものだった。「あれ、Sさんおかしいなー、去年はうちとライオンズは何位と何位なんだっけ? あれー」と返したが、寂しさつのる8月末だ。ペナントレースはまさに最終コーナーを回って最後の直線に入ったところ、ファイターズ以外の5球団に胴上げの可能性がある(ロッテが少し脱落気味だが、CS進出すればあるいは…)。いわゆる「混パ」なのだ。ファイターズだけが大きく取り残されている。まぁ、これは新庄ビッグボスというより稲葉GM(あるいはフロント)のチーム編成上の失敗だろう。主力選手を出して、ヌニエスら外国人選手で補うプランが破綻した。外国人のアテが外れたら緊急補強する手もあったと思うが(例えば投のメネズのように)、若手に出場機会を与えることにした。ファンは選手の成長を楽しみにはするけれど、勝敗を度外視していいわけがない。1チームだけ置いて行かれてるのは恥ずかしいことだ。
 
 だけど、野球見に行って「恥ずかしいことです…」と深刻ぶってもSさんも小川アナも困るだろう。「いやいや~、去年は最後、うちがマクッたんですよね。あれは実に痛快だったなぁ」と軽口を叩くしかない。「今日も最下位が首位に勝っちゃおうかなぁ」とジャブを繰り出す。先発は根本悠楓と隅田知一郎。これから飛躍が期待される両左腕だ。「プレミアムシートA」はすべて抜群に見やすいのだが、文化放送のシートは特にピッチャーの球筋がよくわかる。根本も隅田も見るのが楽しみだった。

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