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松田、移籍断念の背景に「日米移籍市場の時差」も。厳しさ増す、日本人野手のMLB評価

ソフトバンクから海外FA権を行使していた松田宣浩が24日、残留を表明した。その要因の一つとして「日米移籍市場のスピードの差」が上げられる。

2015/12/26

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ユーティリティー選手の市場は1月中旬

 ソフトバンクから海外FA権を行使していた松田宣浩が24日、残留を表明した。パドレスなど複数のメジャー球団から獲得に興味を示されたが、4年総額16億円プラス出来高という好条件で再契約。32歳という年齢から考えても「生涯ホークス」ともいえる契約を結んだ。
 
 松田は「王会長から”また一緒にやろう”と言ってもらった。そこで”メジャーへ行きます”とは言えなかった」と決断の理由を説明した。育ててもらった球団への恩義を貫いた形。「20日にその電話をもらう前は(メジャーへ)行こうとしていた」とも語った。苦渋の決断でもあった。
 
 松田の口からは「ホークス愛」が漏れたが、現実的に決断を迫らせたのは「日米移籍市場の時差」だった。日本と米西海岸の17時間の時差ではない。いわゆる市場のスピードの問題だ。
 
 広島・前田健を残すところとなった先発投手の移籍市場の動きは速かったが、FA野手の市場はまだ動き始めたばかり。松田には多くのメジャー球団が、三塁以外も守れる内野のユーティリティー選手として興味を示していた。レギュラークラスの選手と比べ、ユーティリティー選手の市場はさらに動きが遅い。
 
 パドレスからは条件提示があったという国内での報道もあるが、地元紙サンディエゴ・ユニオン・トリビューンは「条件の交換はされていたが、最終的なオファーには至っていなかった」と断じている。
 
 米FA市場では、獲得に興味を示す複数の球団に競わせ、少しでもいい条件を引き出すのが通例。パドレス以外にホワイトソックスなど5球団前後が興味を示していたが、彼らからの具体的な条件が出そろっていたとは思いがたい。
 
 簡単に言えば、松田がメジャー移籍を決断するには、市場が熟成される1月中旬以降まで待たなければいけなかった。

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