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先発と控えの差――代打出塁率リーグワーストのヤクルト、坂口ら加入で戦力底上げになるか

強力打線を武器に14年ぶりにセリーグを制したヤクルトだったが、実はレギュラーと控えの力に差があったことは否めない。特に代打出塁率はワースト。来年、坂口・鵜久森が加入し、激しい外野のレギュラー争いが予想されるが、それが戦力底上げにつながるか。

2015/12/14

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坂口・鵜久森加入でチーム底上げにつながるか?

 リーグ王者の立場で迎える来季は、戦力の底上げがさらに必要であることを指揮官は認識している。特に規定打席に到達したのが雄平だけだった外野陣は、レギュラー争いが激しくなる。オリックスを自由契約となった坂口智隆や、日本ハムを自由契約となった鵜久森淳志を獲得。

 坂口は2011年に175安打を放ち、最多安打のタイトルを獲得。通算1000本安打にもあと71本と迫っている。2008年から2011年まで4年連続でゴールデングラブ賞も受賞し、守備にも定評がある選手だ。
 鵜久森は身長189cmの長身で長打力も期待できる打者。一軍での実績は乏しいが、新天地でその打棒が開花するか注目される。

 2人が加入したことで、生え抜きの上田や比屋根も一からのレギュラー争いとなる。そして実績のある雄平やバレンティンも気を抜いてはいられない。ベテランの田中浩もポジションに関係なく、外野でもその存在感をアピールするために必死の覚悟で臨む。また、今季は怪我で18試合の出場に終わってしまった飯原や、左で長打も期待できる武内もこのままでは終われないはずだ。

 来季、外野のレギュラー争いに参戦しそうな選手たちの今季の打撃成績は以下の通りだ。

雄平 141試合 打率.270 8本塁打 60打点
比屋根渉 84試合 打率.230 3本塁打 9打点
上田剛史 82試合 打率.263 1本塁打 19打点
田中浩康 82試合 打率.201 1本塁打 11打点
荒木貴裕 73試合 打率.253 2本塁打 12打点
武内晋一 51試合 打率.197 0本塁打 3打点
ミレッジ 24試合 打率.211 1本塁打 9打点
飯原誉士 18試合 打率.219 0本塁打 3打点
バレンティン 15試合 打率.186 1本塁打 6打点

 スタメンから漏れた選手が代打に回ることになるが、代打でしっかり結果を残すこともレギュラー獲りのアピールにつながる。

 真中監督は現役時代に代打としても実績を残した選手だった。2007年に代打起用回数98回、94打数31安打、打率.330の成績を残した。この起用回数「98」と安打数「31」は、共に代打としての日本プロ野球最高記録として、現在も破られていない数字だ。

 真中監督の起用法によっては、自身の日本記録を更新できる選手を生み出せるかもしれない。し烈な外野手争いが、レギュラーと控えの実力差を埋め、連覇の原動力となるに違いない。

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