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メジャー66発の大砲に制球難の剛球リリーバー。中日、一芸特化の外国人補強は当たりか外れか

来季の助っ人としてビシエド、ハイメ、ノルベルトの3選手を獲得した中日。パワー特化のワンツールプレイヤーであるビシエド、剛球が魅力だが制球難の2投手、一芸に特化した新外国人は日本でどのような活躍を見せるのだろうか?

2015/12/06

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剛腕投手二人も、課題は制球力

 リリーフとして期待のかかるハイメは最速160km/hのスピードボールが武器の剛球右腕。今季はブレーブスとドジャースでプレー、昨年は阪神の獲得候補にあがるなど日本球界から長年注目されてきた選手だ。
 12年オフには「ブレーブス傘下で最高のファーストボール」と称された通り、その球威は折り紙つきだ。奪三振率はマイナー197試合で12.9、メジャー18試合で12.5と非常に高い数字をマークしている。

 その一方で制球力は大きな課題。
 マイナー通算の四球率は6.3、メジャー通算では8.6にものぼる。4月のメッツ戦では犠打での1アウトしか取れずに3四球とメルトダウン状態に陥った。11イニングに1つと死球を与える割合も比較的高い。過去にもコントロールに難を抱えた外国人選手は多かったが、ハイメの制球難は数字だけ見れば規格外のレベルといえるだろう。

 左腕のノルベルトも直球が最大の魅力となる選手だ。
 左上手から投げ込む直球の球速は最速156km/h、近年少し球速の低下が見られるものの被打率.185と投球の軸となっている。直球が投球の大半を占めるハイメと異なり、スライダーやシンカー、チェンジアップなどを混ぜ合わせている。

 しかし変化球は全球種とも被OPS.700前後と信頼は置きづらく、三振の半分は直球で奪っている。ハイメほどではないがこちらもコントロールには苦しんでおり、マイナー通算の四球率は5.8。

 パワーには目を見張るものがあるが、選球眼の悪いフリースインガー、球は速いが制球に難のある左右のリリーフ。日本には最も適応しづらいタイプと言われるが、裏を返せば日本人にはない魅力を持っているのも事実。これまで自ら多くの外国人を視察し、獲得してきた森ヘッドコーチのことだ。欠点も承知の上で、それ以上に彼らの能力が優れているという判断なのだろう。

 一芸特化ともいうべきドラゴンズの新外国人3人は日本でどんな成績を残すのか、来シーズンに注目したい。

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