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ピッチャーのクセを見抜く秘策は…専門家が語る盗塁論(1)中日・荒木雅博コーチ-前編

2022/07/21

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「アウトになっても、いいじゃないですか」

──プロではどうやって教え込むのでしょうか。
 
荒木 練習で、成功体験を積ませます。ぼくがピッチャー役としてマウンドに立ち、一塁ベースとその後ろに何人かの選手が並びます。そこで、「今日はセットポジションの足幅が広かったら投球、狭い場合はけん制」と先に教えておいて、繰り返し練習をします。別の日には、「今日はグラブの位置が低ければ投球、高ければけん制」といった感じで、練習日ごとにありがちなパターンをやっていく。そのうえで、「今日は、今までに教えたことをすべてミックスでやるよ」という日を設けて、実戦に近づけていきます。
 
──なるほど、そうやって覚えていくんですね!
 
荒木 でも、ミックスになった時点で、「わかりません」という選手が結構出てきます。クセを見つけるのは、わかる人には簡単ですけど、わからない人には難しい。そういうものですね。

──ちなみにキャッチャーのサインは見ますか。
 
荒木 プロですからね、見るときもあります。変化球だとわかれば、盗塁の成功率は上がりますから。でも、高校生にはすすめられないですね。ピッチャーとの勝負のなかで走るクセをつけていかないと、バッテリーのレベルが上がったときに走れなくなりますから。アウトになっても、いいじゃないですか。失敗することも大事な経験で、そのなかから自分なりの工夫が生まれていくものです。(後編につづく)
 
大利実

書籍概要

『高校野球の監督がここまで明かす! 走塁技術の極意』 
定価:1870円(本体1700円+税)
 

 

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本文中で紹介している練習メニューの一部は動画確認できます。
 
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高校野球の監督がここまで明かす! 走塁技術の極意

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