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木下雄介、戸田懐生…球速アップの専門家が語る独立リーグで“大化け”した選手の共通項

2022/06/29

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産経新聞社



――木下投手、戸田投手にはどんな思い出がありますか?
 
殖栗 二人とも、ケガ明けで徳島に入団してきているんです。故障をして一度野球をやめて、ゼロチャンスの状態でやってきた。木下は最初、リハビリスタートで、球速も120キロくらいだったんじゃないかなと思います。
 
――そこから、どういう指導でプロ入りまで導いたのでしょうか?
 
殖栗 木下はけっこうヤンチャなタイプだったんですよ(笑)。気も強くて。大学時代にヒジを壊して「リハビリがつまらない」という理由で大学を辞めてるんです。あまり地道にコツコツやることが苦手でしたが、キツいトレーニングを短時間だけ集中してやらせると、メチャクチャやるんです。

ただ、軽い負荷で長い時間やらせようとすると「もういいや」ってなっちゃう。負けん気がそうさせるのかもしれないですが、全力でやってもできないことには、積極的で、簡単にできることはすぐに飽きる。そういうタイプだったので、とにかく負荷の高いトレーニングをガンガンやらせて、少しずつ成果が出てきた。
 
徳島県の高校で同学年だった増田大輝が1年先にプロに行ったのも良い刺激になったんだと思います。一気にスイッチが入って逆に練習しないチームメイトを叱るまでになった。プロ入り前の1年間は、本当によくやったと思います。

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