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【データで選出5月月間MVP】西武・山川穂高はほぼ打撃力のみでトップの貢献。投手は故障明けDeNA・今永昇太が佐々木朗希を上回り投手1位に

2022/06/08

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産経新聞社



西武・山川が圧倒的な打撃貢献。ソフトバンク・牧原も少ない打席数で好成績

 評価にはWAR(Wins Above Replacement)を使う。WARとは打撃、走塁、守備、投球を総合的に評価し、控えレベルの選手が同じだけ出場した場合に比べどれだけチームの勝利を積み上げたかを推測した指標だ。図中の打撃、走塁、守備のグラフは、それぞれどの分野で優れた働きを見せたかを表すWARの構成要素となっている。

 

 まずは野手から見ていこう。パ・リーグでは山川穂高(西武)、セ・リーグでは小園海斗(広島)が、それぞれ2.04、1.74のWARを記録した。

 

 打撃では西武の山川が圧倒的な打撃を披露した。開幕から本塁打を量産していたが、5月もリーグトップとなる9本塁打を放つ活躍。負傷離脱があったにもかかわらず、本塁打王争いは独走状態となっている。また山川の打撃貢献は長打だけではない。5月は14四球を選び出塁率は.426を記録。塁上の走者を還すだけでなく、自ら塁に出る役割としても機能した。ほぼ打撃貢献のみで12球団トップのWARを稼いでいる。

 

ほかには牧原大成(ソフトバンク)の活躍が目立つ。昨季までは単打で出塁を稼ぐ打者だったが、5月は4二塁打、1三塁打、2本塁打と長打を量産。山川に迫る長打率.679を記録した。またこの評価方法は打席の少ない打者が不利になるが、牧原はほかの選手の3分の2程度の打席で上位に食い込んでいる。セ・リーグでは牧秀悟(DeNA)が打撃で好成績を残していた。

広島・小園、ソフトバンク・今宮がともに守備に加え打撃でも貢献

 守備評価には同じイニングを守った平均的な同ポジション選手と比較してどれだけ失点を防いだかを表すUZR(Ultimate Zone Rating)を使用する。しかしUZRは同ポジションの選手との守備を比較する指標であるため、異なるポジションの選手を比較する際は、ポジション間の補正を行う必要がある。一般的に高い守備力、もしくは独自性のあるスキルを要するポジション(遊撃手や二塁手、捕手など)を守った選手はプラスに補正をかけ、その逆のポジション(一塁手や左翼手など)はマイナスの補正をかけるといった具合だ。この守備位置補正をUZRに加えたものが守備貢献となる。

 

 守備では広島の小園が好成績を収めている。小園は昨季から遊撃のレギュラーに定着したが、実は遊撃守備面ではほかの選手に後れを取っていた。しかし5月は大健闘。ほかの遊撃手に差をつける守備力を見せた。また5月は打撃も好調で、走攻守を合わせてセ・リーグでトップの貢献度となっている。

 

 ほかには今宮健太(ソフトバンク)、中野拓夢(阪神)も高い守備貢献を見せた。守備のイメージが強い選手だが、5月は打撃も好調で、総合貢献でそれぞれリーグ2位、4位に入っている。

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