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まさかの失敗も即挽回。ルーキー北山亘基は冷静沈着、不屈のチャレンジャー!【えのきどいちろうのファイターズチャンネル#172】

東京シリーズの初戦は終盤に追いつかれ、10回表に守護神の北山亘基がまさかの牽制ミスでピンチを広げると、結果的にこのプレーをきっかけに敗戦へつながった。しかし3戦目、すぐに初戦の失敗を取り戻す登板チャンスが訪れた。

2022/05/01

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産経新聞社



新庄野球の魅力にあふれた東京シリーズ

 2022年春、長年のファイターズファンには嬉しいプレゼントが重なった。『1988‐2003 日本ハムファイターズ東京ドーム物語』(「ベースボールマガジン」別冊新緑号。BBM)の刊行と、野球殿堂博物館の特別展示『東京時代のファイターズ』展の開催だ。時期が合ってたのでてっきり連動企画かと思ったのだが、ベーマガの編集者に尋ねたら偶然だという。まぁ、あまり人気のなかった東京ファイターズをこうして様々な形で回顧していただけるのは嬉しい限りだ。特に野球殿堂博物館の展示はソレイタのユニホーム、江夏の100セーブ記念球といった胸熱アイテムが揃ってて素晴らしかった。5月8日まで開催中なので関心のある方はぜひご覧いただきたい。
 
 で、もうひとつ新庄ファイターズの東京ドーム開催(4月26~28日)も重なったのだ。これは今シーズン唯一の東京シリーズだった。北海道へ移転してすぐの頃はもっと東京ドーム主催試合が多かったものだが、今年は3試合になった。まぁ、関東のファイターズファンには鎌ケ谷があるし、ベルーナドーム、ZOZOマリンにも見に行けるからぜいたくは言わない。僕は新ユニホームはまずビジターを購入したくらいだ。「いちばん身近な1軍公式戦はビジターゲーム」という環境に慣れてしまった。
 
 ただ東京ドーム開催はやっぱりよかったなぁ。電車に乗って自宅から30分ほどでビッグボスのファイターズに会いに行ける。JRと3種類の地下鉄が乗り入れていてアクセス抜群。対戦カードは去年のパ・リーグ覇者、オリックス戦だった。戦績は1勝2敗と負け越したけど、新庄野球の魅力にあふれた面白い3連戦だったと思う。
 
 僕は第1戦を見に行ったのだが、敵エース山本由伸から2点もぎ取ったのは傑作だった。4回裏、石井一成のタイムリーで1点先制し、更に無死1、3塁からダブルスチールで追加点だ。いやぁ、松本剛のホームスチールを見てしまった。オールスターゲームで新庄剛志、森本稀哲のホームスチールを見たことがあるけれど、公式戦で見たのはたぶん初めてじゃないか。

 そのまま2‐0で逃げ切れればよかったのだが、好投加藤貴之が8回、紅林に2ランを喫し同点、9回からはマウンドは売り出し中のルーキー、北山亘基に託された。北山はドラフト8位ながら今季の開幕投手を務めた期待の星だ。先発したのは開幕戦1試合だけで、現在のところ抑えを任されている。ストレートが強い。球速表示は150キロほどだが、キレが素晴らしい。落ちる変化球もあるから三振が取れる。この日も9回表、杉本、宗、安達を簡単に片づけて味方のサヨナラを待った。

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