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宮内オーナー「時間がかかっても……」。すでに退団者17名、オリ”自力チーム”構築の本気度【どら増田のオリ熱コラム#60】

オリックスは、今季オフにすでに17名の退団が確定している。その一方でドラフトでは昨年の9名に続き、10名と大量に指名した。宮内オーナーは補強も行いながらも、「時間がかかっても、自力のチームを作りたい」と生え抜き選手の長期的な育成を念頭に置いている。

2015/10/31

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チームの若返りを優先

 昨年のデータを見てみると、昨年オリックスが戦力外通告をしたのは10選手。引退での退団は平井正史二軍投手コーチのみ。外国人の自由契約はペーニャら3選手(途中退団のベタンコートは除く)だった。近藤一樹、園部聡ら4選手を一度自由契約にした上で、育成契約を結んでいる。

 今年は戸田が戦力外からの育成契約を結ぶことになりそうだが、昨年に比べて遥かに名も実績もある選手の退団が目立つ。
 中でもチームの顔だった坂口の退団は、ファンに衝撃を与えた。また今季10打席以上代打で出場(14打席)した選手の中ではチーム1位の代打成功率.357を記録した竹原や、前述したように今季からサイドスローに転向し、貴重な中継ぎ左腕としてプロ入り初勝利を目指した古川も、決して数字が悪くないにもかかわらず戦力外になってしまった。

 5日にヘルマンの自由契約を発表した際、瀬戸山隆三球団本部長は「ヘルマンはチームが苦しい時によく救ってくれた。ああいう姿は他の選手も見習ってほしい」とヘルマンの功績を称えながらも「若い補強をしていきたい」と語りチームの若返りを示唆している。

ドラフトでは大量10名を指名

 そんな状況で迎えた22日のドラフト会議でオリックスは、昨年の9選手を超える10選手を指名。育成も2選手指名した。

2015年ドラフト指名選手
1位 吉田正尚(22)外野手 青山学院大
2位 近藤大亮(24)投手 パナソニック
3位 大城滉二(22)内野手 立教大
4位 青山大紀(20)投手 トヨタ自動車
5位 吉田凌(18)投手 東海大相模高
6位 佐藤世那(18)投手 仙台育英高
7位 鈴木昂平(24)内野手 三菱重工名古屋
8位 角屋龍太(25)投手 ジェイプロジェクト
9位 赤間謙(24)投手 鷺宮製作所
10位 杉本裕太郎(24)外野手 JR西日本
育成1位 塚田貴之(22)投手 白鴎大
育成2位 赤松幸輔(23)捕手 香川オリーブガイナーズ

 1位は侍ジャパン大学代表の4番打者で、6月に行われたNPB選抜との壮行試合で西武の高橋光成からホームランを放ちアピールした青山学院大学の吉田正尚を単独指名した。

 球団が即戦力として期待していることから、T-岡田、駿太、小田裕也との熾烈な外野レギュラー争いが予想される。

 2位の近藤大亮はオリックス二軍との練習試合にも登板しており、今年苦労した後ろでの起用が期待されるところ。また3位の大城滉二も早速、安達了一のライバル候補に挙げられるなど楽しみな存在だ。4位の青山大紀は智弁学園からトヨタ自動車に入社したため20歳と若く、活躍すれば人気が出そうなビジュアルを持ち合わせており、トヨタの先輩金子2世の呼び声も高い。5位の吉田凌、6位の佐藤世那については将来のオリックスを背負って立つエース候補と言ってもいいだろう。

 そして今シーズン、来季が楽しみな活躍をしてくれた西野真弘や小田裕也が昨年下位指名だったように、今年も下位には即戦力の期待が見込める社会人選手がズラリと並んでいる。

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