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SNSで大人気の野球著述家が「データを超えた野球論」を語る――書籍『アンチデータベースボール データ至上主義を超えた未来の野球論』が2月22日に発売

2022/02/14

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 2月22日に、『アンチデータベースボール データ至上主義を超えた未来の野球論』(著者:ゴジキ(@godziki_55))が発売となる。
 
 本書のメインテーマは、データ野球への「アンチテーゼ」である。データやテクノロジーが発達した現代において、人間が行うものとして必要なのは、データを超えた感動やドラマ、プレーのクオリティだ。
 
 著者が本書を執筆するうえで心掛けたのは、上記のような「データを超えた野球論」をいかに言語化して明確にするかだ。
 
 データではわからない面白さや魅力はどこから来ているのか? データ至上主義のなかで対応策はあるのか? 感動やドラマ性とデータはトレードオフなのか?…などなど、尽きない疑問への「答え」にまではたどり着かないかもしれないが、「考えるヒント」にはなるはずだ。

著者:ゴジキ氏(@godziki_55)からのメッセージ

【野球はドラマ性のあるスポーツ】
 今回の『アンチデータベースボール』で伝えたいことは、人間がプレーしているからこそ、データだけではわからない野球のプレーにおける醍醐味を書かせていただいた。
 
 これまでの著書『巨人軍解体新書』(光文社新書)『坂本勇人論』(インプレスICE新書)はデータと感性のバランスを、『東京五輪2020「侍ジャパン」で振り返る奇跡の大会』(インプレスICE新書)は、感性寄りを意識した。私自身、著述家(著作家)としてデビューしてから1年足らずで4冊出版させていただいたが、本書は特にデータと感性をバランスよく執筆するうえで、あえてできるだけデータを用いないように心掛けた。そのため、掲載されたデータ表は2つか3つほどである。これまで私の著書をお読みいただいた皆さんならわかると思うが、『巨人軍解体新書』よりもかなり少ない数だ。
 
 このようなテーマや内容だと必ず揚げ足取りが出てくるが、これはさまざまなデータを全否定しているのではなく、場面ごとの参考程度に済ませることや人間がプレーする一つのドラマ性のあるスポーツとして見てほしいことを伝えたい意味合いで書いた。
 
 プロ野球における短期決戦はまさに人と人の勝負が大きく出ているのではないだろうか。
近年、IT化からテクノロジーが発達し始めて、以前までなら取れないデータも普及してきた。その中で作業だけになる部分も増え始めているのも事実だ。
 
 データを重視しすぎるが故に、突発的な対応力がない選手も増えているように思えた。その能力は、シーズンではリカバリできる範囲内に収められるが、短期決戦は命取りになる可能性が高い。

【野球は頭を使う競技】
 データやエビデンスがなくても、マスコミを活かしたポジショントークで上手く切り抜けられる時もある。その具体例として有名なのは、1995年の日本シリーズではないだろうか。シリーズ前は、当時前衛的なカテゴリだったデータ野球の「野村ID野球」対「天才イチロー」が注目されていた。
 
 野村克也氏は、シリーズ開幕前に「イチロー対策はインハイ(内角高め)がカギ」とマスコミに明かして、当時若手だったイチローを不用意に意識させまくった。シリーズに入ると、古田敦也は外角に要求して、イチローの度肝を抜いたリードをした。しかし、シリーズ終盤になると、天才イチローは対応し始めて、ホームランを含む3打数2安打を記録したが時すでに遅かった。イチローの数字だけ見ると、打率.263 出塁率.375と悪くはない成績でもあり、完璧に封じたわけではなかった。パーフェクトに抑えなくてもベターな結果で抑えてシリーズを制したのは野村氏の戦略だったのだろう。ある意味、最終戦までもつれていたらわからなかったが、短期決戦に慣れていた野村氏に軍配が上がった結果になった。
 
 あとがきにも触れたように、イチローは引退会見で「2001年に僕はアメリカに来たが、2019年現在の野球は全く別の違う野球になりました。まぁ、頭を使わなくてもできてしまう野球になりつつあるような……。選手、現場にいる人たちはみんな感じていることだと思うんですけど、これがどうやって変化していくのか。次の5年、10年。しばらくはこの流れは止まらないと思うんですけど」や「本来は野球というのは……これダメだな。これ言うとなんか問題になりそうだな。頭を使わなきゃできない競技なんですよ、本来は。でもそうじゃなくなってきているのがどうも気持ち悪くて。ベースボール、野球の発祥はアメリカですから。その野球がそうなってきているということに危機感を持っている人って結構いると思うんですよね」とコメントしており、現代野球がデータに依存しすぎて自ら考えてプレーすることがなくなり始めている懸念を発言していた。
 
 この書籍を通じて、忘れかけている何かを思い出していただければ幸いだ。

書籍情報


 
2月22日発売!
アンチデータベースボール データ至上主義を超えた未来の野球論
(著者:ゴジキ(@godziki_55)著/四六判/200頁/1600円+税)
 
[目次】
第1章 打撃・打順論
第2章 投手・継投論
第3章 守備・走塁論
第4章 采配・戦略・マネジメント論
第5章 「感性」「感覚」「直感」の重要さがわかる野球論
 
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【著者紹介】ゴジキ(@godziki_55)
プロ野球選手にもフォローされるTwitterで話題の野球著述家。 2021年3月に『巨人軍解体新書』(光文社新書)で、鮮烈なデビューを飾る。さらに、8月には『東京五輪2020 「侍ジャパン」で振り返る奇跡の大会』(インプレスICE新書)、12月には『坂本勇人論』(インプレスICE新書)を出版した。自身の連載である「ゴジキの巨人軍解体新書」をはじめとした「REAL SPORTS」「THE DIGEST(Slugger)」 「本がすき。」「文春野球」等で、巨人や国際大会、高校野球の内容を中心に100本以上のコラムを執筆している。週刊プレイボーイやスポーツ報知などメディア取材多数。Yahoo!ニュース公式コメンテーターも担当。本書が4作目となる。