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2021年セ・リーグ新人王は? 広島・栗林良吏、DeNA・牧秀悟らの躍動で大激戦の様相に

2021/12/11

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セ・リーグ新人王の行方は?

 大激戦となっているセ・リーグ新人王争い。筆頭候補は投打のルーキー2選手だ。
 
 まずは、「投」の広島東洋カープ・栗林良吏投手。栗林は、愛知黎明高、名城大、トヨタ自動車を経て、2020年ドラフト1位で入団。満25歳の右腕(右打)だ。入団当初は起用法にも注目が集まったが、クローザーに抜擢。その期待に応え、開幕から22試合連続無失点を記録するなど圧巻の投球を披露した。今夏開催の東京五輪でも「侍ジャパン」の守護神として君臨し、全5試合に登板。2勝3セーブの成績で胴上げ投手となり、世界一の原動力となった。疲労が懸念された後半戦も変わらぬ安定感を発揮。今季成績は53試合登板、リーグ2位の37セーブ(新人記録)、驚異の防御率0.86、WHIP0.97をマーク。セーブ失敗は一度もなく、シーズンを完走した。

 そして、「打」では横浜DeNAベイスターズ・牧秀悟内野手だ。牧は、松本第一高、中央大を経て、2020年ドラフト2位で入団。満23歳の内野手(右投右打)だ。即戦力の期待を背負い、「3番・一塁」で開幕スタメン入りを果たすと、ルーキー離れした打撃ですぐさまトップクラスの投手にも順応。打線に欠かせない存在となり、ネフタリ・ソト内野手が一軍復帰した4月下旬以降は、主に本職の二塁を守った。夏場に入った7月にはやや疲れがみられたが、東京五輪明けの後半戦には調子を取り戻し、8月25日の阪神タイガース戦では、サイクル安打を達成した。シーズン最終盤の10月には、主に4番として月間打率.452を記録し、10、11月度の月間MVPに選出。最終的に137試合出場、打率.314、153安打、22本塁打、71打点、OPS.890(出塁率.356+長打率.534)をマーク。1986年の清原和博氏(当時西武ライオンズ)以来となるNPB史上4人目の「新人3割20本塁打」に到達した。
 
 その他の新人王候補には、チーム最多タイの9勝をマークし、チームの20年ぶり6度目の日本一に大きく貢献した高卒2年目の東京ヤクルトスワローズ・奥川恭伸投手。2桁10勝を挙げた社会人出身ルーキーの伊藤将司投手や、正遊撃手として最多盗塁のタイトルにも輝いた中野拓夢内野手、24本塁打を放つなど強いインパクトを残した大卒ルーキーの佐藤輝明内野手(ともに阪神)らが挙げられ、近年の受賞選手にも劣らない成績を残した。
 
 川上憲伸氏(当時中日ドラゴンズ)、小林幹英氏(当時広島)、高橋由伸氏(当時読売ジャイアンツ)、坪井智哉氏(当時阪神)によるデッドヒートの末、川上氏に軍配が上がった1998年に匹敵するほどの混戦となっている2021年のセ・リーグ新人王争い。結果は、12月15日の「NPB AWARDS 2021 supported byリポビタンD」内で発表される。
 
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