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谷佳知 オリックスが生み出した「巨人史上最強の2番打者」

オリックスの谷佳知が今季限りで引退した。しかし、谷はその前に在籍した巨人でも勝負強い打撃でたびたび勝利に貢献。オリックスファンのみならず、巨人ファンにとっても印象深い選手の1人だ。

2015/10/06

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巧打者ながら、タイトルに無縁

意外なことに、谷はそのキャリアにおいて打撃三部門のタイトルを一度も獲得していない。
首位打者の経験もなければ、2000本安打にもわずかに届かなかった。
派手な記録よりも、鮮烈な記憶に残る名選手。
10年4月、盟友・木村拓也の追悼試合では劇的な代打満塁ホームランを放ち、お立ち台で涙を流した背番号8。
身長173センチの小柄な体で魅せた全力プレー。
アテネ五輪では一塁に駆け込んだ際に右足首を捻挫、さらに腰や右肩の負傷にも悩まされた。
今季は2軍暮らしが続いたボロボロの42歳。
引退試合で現役最後の打席に入る瞬間、球場で鳴り響いた谷の登場曲はいつもの『Take You Back』。
あの映画『ロッキー』の冒頭シーンに流れる挿入歌である。
何度殴られても立ち上がり、フラフラになりながらもファイティングポーズを取り続けたロッキー・バルボア。

その姿は、満身創痍の体で1928安打を積み重ねた谷佳知そのものだった。
この男こそオリックスが生み出した希代のヒットメーカー。
そして、巨人史上最強の2番打者である。

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