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浅村流フルスイングでチームをCSへ――手ごたえをつかんだ、右中間への2塁打【中島大輔 One~この1本をクローズアップ】

パリーグは、すでにホークスとファイターズがクライマックスシリーズ進出を決めており、残り1枠をライオンズとロッテが争っている。ライオンズにとってはもう1敗もできない状況下で浅村栄斗が救った。今回は、9月22日のオリックスバファローズ戦、3回に訪れた浅村の第2打席をクローズアップする。

2015/09/25

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浅村流フルスイングとは

 だが、100%のスイングをできるようになった夏場以降、大事にしている打率が下降していく。9月24日時点で、打率.271。いったい、どこに原因があったのだろうか。

「右にしっかり打てていなかったので。それが『あれ?』と考え出して、ポイントがちょっとおかしくなってきたという感じなので。ポイントがすごくずれていたので、そこが一番違かったんじゃないですか」

 対して、田邊監督の見解はこうだ。

「力みも入ってしまっているから、リラックスして打ってほしい。これをきっかけに、彼らしいバッティングをできてくれたらいい。良かったり、悪かったりの繰り返しだからね」

 実は9月22日の試合で、浅村がより手応えを感じたのは本塁打を放つ前、3回の第2打席で右中間に放った2塁打だ。

「ああいう当たりが徐々に増えてきているので。ああいうヒットが出だすと、ポイントもよくなってきていると思うし、いい傾向ではあると思います」

 浅村の良さは、センターから右方向に強い当たりを打てることにある。第2打席での1本は、まさにそうした一打だった。

 冒頭で中村のコメントを引用したように、フルスイングは奥が深い。今季は柳田悠岐や森友哉のフルスイングが注目を集めてきたが、それはあくまで彼ら流のフルスイングだ。

 浅村が打率を大切にするなら、センターから右方向への当たりをもっと追い求めるべきかもしれない。
 果たして、浅村流のフルスイングを完成させることができるか――。

 残り少ない今季、そして来季以降、浅村が超一流に成り上がっていくためのポイントは、そこにある。

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