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東京ローカル地上波TVのホークス野球中継は、「非・地域密着」型の地方球団ファンを増やす入口だ【えのきどいちろうのファイターズチャンネル#12】

福岡ソフトバンクホークスは、2007年からTOKYO-MXにて『STRONG!ホークス中継』を行っている。「地域密着」は、今やプロ野球の経営において当たり前といわれる時代だが、ホークスのこういった取り組みは、そのさらに先を行くものではないだろうか。

2015/09/19

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住んでいなくても……新しいライフスタイル

 昭和のV9巨人に代表される「全国区」型のセントラルマーケティングから、「地域密着」のエリアマーケティングの時代へ。大まかにプロ野球の経営トレンドはこうシフトしたといわれる。それは大前提としてゆるがないのだが、そこにここ何年でハッキリしてきた「ローカリズムの流行」という要素を加えて考えてみたい。もう既にプロ野球には「非・地域密着」型の地方球団のファンが大量に発生している。
 
 それはカンタンに言うと「非・九州人のホークスファン」「非・広島人のカープファン」というあり方だ。もしかすると事情は「非・名古屋人のSKE48ファン」とも通底してるかもしれない。
 
 この話題で僕に大きなヒントをくれたのは、広島のテレビが実施した調査「神宮球場のレフトスタンドには非・広島人が異様に多い」であった。なるほどそういうことか。「なんちゃって広島人」もスクワット応援してるのか。目からウロコだ。考えてみれば先行例として「非・関西人のタイガースファン」が存在したじゃないか。
 
 それは球団移転を機に相当程度「なんちゃって北海道人」になっていた僕には腑に落ちることだった。住んでなくてもいいんだ。きっかけは選手やチームであっても、だんだん「マイ県」(「マイ道」?)が心のなかで育っていく。年に何度か、スポーツツーリズムとして本拠地に「遠征」して、ザンギやラーメンサラダを楽しむライフスタイル。
 
 その最初のフックを『STRONG!ホークス野球中継』は作っているのだと思う。
 新しい野球ファンを開拓している。今はCSやネット中継があり、ラジコプレミアムで地方のラジオ中継がふんだんに聞けるが、最初のフックには適しているのはやっぱり地上波だ。
 
 というわけで、在京ホークスファンの皆さんもおめでとうございます。
 
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