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「ガンバリマス。ゼッタイ」逆転の9月に。広島を愛する男・エルドレッドの執念

カープの今季残り試合は20試合を切った。首位とは3ゲーム、クライマックスシリーズ進出圏内の3位まで2.5ゲーム差と詰め寄ってきた。大事な試合が続く中、やはりこの主砲の活躍が大きなカギを握る。

2015/09/14

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研究や努力を怠らず、日本球界にマッチ

 196㎝、122kgのナイスガイは、「学生時代を中心に、僕はピッチャーをしていましたが、途中で気持ちの切れたような投球をすると、父に厳しく叱られたものです」と父・ジムさんの教えを忠実に守る。

 そんな取り組みは日本野球にマッチした。

 研究や努力を怠らず、昨年は本塁打王のタイトルを手にした。さらに、飾らない人柄でチームメイトやファンにも愛されている。野球での適応はもちろん、日本語や日本食にも興味を示し、ラーメン店の暖簾を大きな体でくぐることもある。

 今年は、春先の膝の故障での出遅れや夫人の出産の立ち会いのための一時帰国もあり、一軍を離れることもあった。

 しかし、彼の気持ちはいつもチームと共にあった。このチームで優勝したい気持ちは人一倍である。

最後まであきらめていない

 9月、バッティングの状態も上向いてきた。

「始動のところから、ゆったりすることで、コンマ何秒の間合いが取れるようになった。これまで、ボールに飛びついてしまうようなところがあったが、それが修正できました。練習から、焦って打ちにいかないように心がけています」

 全力プレーの気持ちと打席での落ち着き、双方を兼ね備えたときのエルドレッドは強い。来日4年間、連敗を止める一発、強敵に対する反撃の狼煙、チームに勢いを与える放物線、背番号55のホームランはいつもカープの戦いの潮目を変えてきた。

 そして、今年、逆転を信じるファンの希望は、広島を愛する男の、強烈なフルスイングに違いない。

 エルドレッドはシーズンを全くあきらめていない。

「ガンバリマス。ゼッタイ」。

 打撃同様に来日してからの上達が著しい日本語で彼は語気を強めた。

「全力でプレーすれば何が起こるかわからない」――エルドレッドの信念はカープの進むべき道を示しているような気がする。
 

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