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「今すぐアメリカに連れて帰りたい」山田哲人、血のにじむ努力と鍛錬で日米を驚かせる選手へ

弱冠23歳にして、トリプル3の達成は確実で6冠王に輝く可能性もある。ドラフト当時、そこまで騒がれなかった若燕の山田哲人は、今やメジャー関係者も注目する選手へと成長した。

2015/09/06

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ドラフト当時は守備に難があるという評価

 末恐ろしい存在だ。
 ヤクルトの山田哲人内野手が超絶な進化を遂げながら大暴れを続けている。
 
 これまで日本のプロ野球史上で8人しか達成していない「打率3割以上・本塁打30本以上・盗塁30個以上」の「トリプル3」は射程圏内。本塁打、打率、打点、盗塁、出塁率、安打数の部門でトップになる可能性があり、三冠王どころか〝6冠王〟に輝くことまでも期待されている。まだ今年で23歳になったばかり。スワローズを背負って立つ若燕の予想だにしなかった急成長ぶりは、周囲をも大きく驚かせている。
 
 まさか、ここまでの存在になるとは思わなかった――。
 古くから山田を知る関係者は、大概そう口を揃える。
 
 2010年のドラフトで山田は1位指名され、履正社高(大阪からヤクルトに入団。しかし、この時はヤクルトが2度に渡って1位指名として選択した選手の交渉権をくじ引きで外した末、事実上の「外れ外れ1位」であったのは有名な話だ。

 そもそも、これほどのプレーヤーならば〝金の卵〟として争奪戦がぼっ発しそうなもの。ところが、当時の山田は長打力と走力こそ超高校級として高い評価を得ていたものの「守備力にやや難あり」と見られていたことが大きなネックとなって、各球団スカウトが上位入札に及び腰になってしまっていた。
 
 こうした経緯があった中での獲得だったのだから、きっと当時のヤクルト関係者たちも山田が恐ろしいまでのスピードで急成長し、わずか数年後に日本球界を代表するスーパープレーヤーになるとは想像もしていなかったに違いない。

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