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台湾はなぜ侍Jを称賛? 17安打快勝も「打球が強い」「投手レベル高い」。日本への尊敬の念は消えず

2017/03/01

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【侍ジャパン 5-8 CPBL選抜チャイニーズ・タイペイ 28日・WBC壮行試合】
 
 侍ジャパン対CPBL選抜チャイニーズ・タイペイ(台湾プロ野球選抜)の壮行試合がヤフオクドームで28日に行われた。CPBL選抜が17安打を放ち、5対8で勝利。台湾にとって快勝と言っていい内容だった。
 
“台湾”が“日本のプロ野球代表”に勝利したのは史上初めて。試合後、複数の現地メディアが選手らの喜びのコメントを伝えている。
 
 3打数3安打、3回表には則本昂大から本塁打を放った“天才打者”ワン・ブォロン外野手は、「打ったのはスライダー。日本のピッチャーのコンディションはいつも良いと思うので、打てて良かった」(『ETトゥデイ』)と興奮気味に語る。
 
 2006年から2013年まで福岡ソフトバンクホークスで活躍していたヤン・ヤオシュン外野手も同様。4年ぶりの凱旋となったヤンは、「(福岡だからといって)興奮してないですよ!でも、3安打は信じられない」(『アップルデイリー』『自由時報』)と笑顔を見せた。
 
 猛打賞と活躍したが、日本のピッチャーに対する印象は「良いですよ!」と高評価。「みんな投球レベルは高いですよね」とも語る。
 
「まさか4安打を打つとは思いもしなかった」(『アップルデイリー』『自由時報』)と嬉しさを爆発させたのはリン・ジーピン内野手。だが、続く言葉は「たくさんのことが勉強になった。一番の収穫は、日本の打者のバッティング。振り方が違う、みんな早い。日本の選手の打球は台湾の選手より強いのでは」という意外なものだった。
 
 台湾の選手たちは一様に侍ジャパンを称賛し、また良く見ている。これらは決して褒め殺しでも嫌味でもない。まず、台湾野球は日本野球を尊敬している背景がある。レベルの高い日本に追いつくべく、台湾は常に日本を参考にしてきたのだ。だからこそ、このような貴重な国際試合の場を大切にし、侍ジャパンの一挙手一投足に注目する。
 
 また、“初勝利”というのもあるだろう。前述した通り、台湾はこれまで日本に勝利したことがなかった。17安打したが、「日本すごし」の感覚は消えない。「打てたがやはりすごかった」という自然な感情の表れがあったはずだ。
 
 今回の台湾チームはベストメンバーではなく、WBCに出場するチャイニーズ・タイペイともまた違うメンバーだ。台湾球界は分裂状態にあり、それが飛び火した複雑な状況にある。だが、それでも“兄貴分”である日本との対戦はかけがえのないもの。1日の試合でも、目を皿のようにして侍ジャパンを観察し、必死になって向かっていくはずだ。