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「日本時代よりパワーアップしている」。4勝4敗でも、先発投手として評価される数字を残した和田毅

2年前、ソフトバンクからオリオールズに移籍し、メジャーリーグでの活躍を期待されていた和田毅。開幕前に肘の故障を発生し、トミー・ジョン手術を行うことになり、長期離脱となった。今年、地道なリハビリを経て、シカゴ・カブスでようやくメジャーデビューを果たした和田は、3AとMLBあわせると、年間31試合に登板し、183イニングを投げ切り、先発としての存在感を残した。その和田が、11月の日米野球にMLB代表として凱旋登板する。

2014/10/13

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日本時代からパワーアップした和田が11月に見られる

 8月にはメッツ-カブス戦がニューヨークであり、メッツ・松坂、同僚の藤川と3人でランチを共にした。「松坂世代」の3人はいずれもトミー・ジョン手術の経験者で、術後の経験談を共有し、リハビリに生かしてきた。

 藤川は「トミー・ジョン2011(松坂)、2012(和田)、2013(藤川)ですよ」と手術年度に合わせて冗談めかしたが、ここまでを見る限り、術後の経過が最もうまくいっているのは和田に違いない。

 カブスとは1年契約で、来季契約選択権は球団が年俸500万ドル(約5億3500万円)で保有する。

「オフの選手市場を含めて考えるが、来年も戻ってきてほしい選手の一人」とセオ・エプスタイン編成担当取締役。地元紙デーリー・ヘラルドは9月末に「選択権は一度放棄した上で、年俸200~300万ドル(約2億1400万円~約3億2100万円)での再契約を求めるのでは」と報じている。

 たとえカブスとの再契約交渉が流れても、いずれかの球団からメジャー契約オファーが舞い込むのは確実だ。年間通じて積み上げた数字が、一線級のメジャー投手に匹敵することを雄弁に語っている。

 11月に日本で8年ぶりに復活開催される日米野球には、全米オールスターの一員に日本選手一番乗りで名を連ねた。和田は自身のブログで以下のように心境を語っている。

「打診が来た時は、正直戸惑いましたし、まだまだ自分が出場できるような成績も出していないし、無理だと思いましたが、メジャーでの登板を重ねるにつれ、出場できれば自分にとって更にレベルアップできる場所なんじゃないだろうかと思い決意しました」

 そして、秘めたる自信もわずかにのぞかせた。

「日本時代よりパワーアップした姿を見せられるようにしっかり調整したいと思います」

 手術を、長いリハビリを乗り越えて、確実にたくましさと力強さを増した。メジャーリーガー・WADAが、この秋、凱旋する。

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