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マエケン同僚、投球の8割が「”平凡な”スライダー」!? ツインズが起こす革命がMLBを新時代へ

2020/08/23

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Getty Images



 ミネソタ・ツインズの右腕マット・ウィスラー投手が注目を浴びている。特徴は投球における変化球の割合で、圧倒的にスライダーが多い構成となっているためだ。ツインズは、チーム全体としてもスライダーの使い方を大きく変え、球界の話題をさらっている。公式サイト『MLB.com』は18日(日本時間19日)、この右腕とツインズ投手陣を分析する記事を投稿した。
 

 
 ウィスラーは現在27歳。2013年と2014年にマイナーで2桁勝利を挙げるなど実績を重ね、2015年にMLBデビューした。2017年からは救援に転向し、昨季はサンディエゴ・パドレスとシアトル・マリナーズで計44試合に登板した。今季は前田健太投手と同じツインズに所属するウィスラー。ここまで7試合に登板し、12回を投げて防御率1.50、奪三振14と圧巻の数字を残している。
 
特徴的な球種の割合について見ていこう。まず、デビュー年の2015年には直球が36.7%。シンカーが25.1%、スライダーが23.5%、チェンジアップが9.4%、カーブが5.3%だった。直球を軸に、左右に曲げる球種をバランス良く織り交ぜ、時折緩急のつく球種を投じるスタイル。非常にオーソドックスで、悪く言えば「よくいる投手」だった。
 
 この割合は、年を追うごとに進化していく。2018年にはスライダーを47%も投げるようになり、直球とシンカーが20%台に。アクセントのチェンジアップとカーブは、合わせても3%となった。チェンジアップはこの年を最後に投げるのをやめ、シンカーも2019年をもって封印。今季の球種割合は、スライダーが78.6%、直球20.8%、カーブ0.5%となっている。
 
 ウィスラーのスライダーの質を見ていこう。データ解析システム「スタットキャスト」のデータを紐解くと、縦の変化量は平均を少し上回る程度。平均球速を見ても、81.3マイル(約131キロ)と平凡だ。猛者の集うMLBの大舞台で、このような球種を8割投げ、打たれない理由とはどのようなものだろうか。

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