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イチローのシーズン安打記録も永遠に不滅? MLB試合数を162試合から154試合へ検討

MLBのレギュラーシーズン試合数を162試合から154試合へ減らすことをロブ・マンフレッドコミュショナーとトニー・クラーク選手会専務理事が検討しているようだ。全米紙『USA TODAY』では、過酷な日程による選手への負担を減らす一方で経済的な収入減の影響が懸念されると報じている。

2015/07/17

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スケジュールの過酷さ

 MLBでは年々ナイターの試合数が増え、シリーズ最終戦の移動日も試合終了時間が遅くなることで、滞在先のホテルに午前2時や3時に入るケースも珍しくなくなってきている。そして睡眠を短時間取って、再びフィールドに選手たちは戻っているのである。

 2006年まではアンフェタミン興奮剤の「グリーニー」が禁止薬物として認定されていなかったため、どんなに疲れていてもグリーニーの使用は許されていた。だが2006年にMLBがアンフェタミンを禁止薬物として認定した。
 数字にもその影響は反映しており、打率3割、50HRを残す選手が減少。昨季155試合以上に出場したのはたった35人と、1977年以来の少なさとなった。

 過酷な日程には、MLBを大きなビジネスへと導いた放映も関連している。
 7月5日、毎週日曜にESPNで全米中継される『サンデーナイト・ベースボール』のカードに選ばれたのは、ワシントン・ナショナルズのホームで行われたサンフランシスコ・ジャイアンツとの試合だった。

 その翌日、ジャイアンツは大陸を横断して、地元サンフランシコに戻ってナイターを予定していた。そこでジャイアンツが取った戦略は、睡眠のエキスパートである医師のアドバイスでワシントンDCでのナイター終了後に一度ホテルへ戻って睡眠をしっかり取った上で試合当日の朝に移動して、そのまま本拠地の球場へ向かったのだ。

 結果的には翌日のホームでのニューヨーク・メッツ戦に3安打のみで0対3で敗れた。5月4にはニューヨーク・ヤンキースが同じ試みで日曜ナイター終了後に遠征先のボストンに宿泊し、試合当日朝にトロントへ移動してそのまま球場入りした。結果は1対3と敗れ、元気なく3安打にとどまった。

 通算14年選手としてプレーし、現在は選手会専務理事を務めるトニー・クラークも過去な日程について言及した。

“In looking back from the time I played to now that I’m watching what these guys are doing, I don’t know how they do it. What these guys are being asked to do with respect to start times, with respect to the travel distances themselves, with respect to performing at an elite level with three days off a month, is a challenge.”
「自分がプレーしていた時代に比べ、今の現役選手たちの取り組みを見ていると、どうこなしているか検討もつかない。試合開始時間、移動距離、そして月に3日の休みしかない過密日程の中でも日々求められる一流のプレーを考慮したら、大きなチャレンジだ」

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