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「やれることはいくらでも」ツインズ傘下の三好貴士監督が語る今。メジャーキャンプで得たものを糧に余念なし

 今シーズンからミネソタ・ツインズ傘下のルーキーリーグ、ガルフ・コースト・リーグ・ツインズ(以下GCLツインズ)の監督に就任した三好貴士氏。新型コロナウイルス(COVID-19)感染拡大の影響で、2020年シーズン開幕延期が決定した後もキャンプ地であるフロリダ州フォートマイヤーズ市のツインズ施設に留まり、いつになるかわからないシーズンの開幕に備えている。選手とスタッフのほとんどがキャンプ地を離れ、散り散りになった今、ツインズ歴史上初の日本人監督は何をしているのか。電話インタビューで尋ねてみた。(以下敬称略)

2020/03/29

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舞い上がらず冷静に、常に貢献のために考える日々「必要とされるものが外れていなかった」

 三好はオープン戦中止が発表された3月12日(日本時間13日)の前日までコーチの1人としてメジャーのベンチにいた。2A以下のコーチングスタッフがメジャーキャンプに招待されることは非常に稀で、今年のツインズでも三好以外にはもう1人しかいなかった。いわば異例の抜擢を受けたわけだが、三好はその連絡を受けたときは意外に冷静だったと言う。
 

 
「僕があまり喜ばないので、電話をかけてきてくれたディレクターの人に、嬉しくないのかって聞かれたぐらいです(笑)。マイナーにいようとメジャーにいようと、僕のスタンスは変わりありませんから。もちろんメジャーのベンチに入れることは嬉しいのですが、舞い上がるほどではありませんでした。仕事には大きな仕事も小さな仕事もないからってディレクターには答えました。理解してもらえたかどうかはわかりませんけど」
 
 メジャーのグラウンドで何をするか、球団から細かい指示があったわけではない。三好はその日のチームのスケジュールに応じて、自分がどこで何をすればチームに最も貢献できるかを常に考えていた。
 
「バッティング・ピッチャーをやったり、ノックを打ったり、何でもやりました。誰がどこでどんな練習をしているのか、自分が何をすれば役に立てるのか、いつも先回りして考えて動いていました」
 
 今季のツインズはジョシュ・ドナルドソン内野手と指名打者のネルソン・クルーズを筆頭に強打者がひしめき、前田健太投手が加わった先発投手陣も評価が高い。スポーツ専門局『ESPN』の最新パワーランキングでは30球団中5位に入っている。
 
 そうした錚々たるメジャーリーガーたちと身近に接した10日間を、三好はこのように振り返った。
 
「メジャーサイドに行けて良かったことは、自分が今までやってきたこと、積み重ねて来たこと、予想していた『必要とされるもの』が外れてなかったという部分で、そこの答え合わせが完全にできたことです。また、自分に今足りないもの、ここから指導者として長くメジャーの世界(これはメジャー、マイナーも含めてですが)で生きていくために必要なスキルセットなどが分かったのも大きかったです。百聞は一見に如かず、ですね」
 
 三好は主に野手組を担当していたが、前田ともクラブハウスで毎日顔を合わせた。
 
「同じ日本人同士ということで、簡単な話はしました。もっとも僕の方が10歳ぐらい年上なので、気を使わせたくないこともあり、コミュニケーションは最低限に抑えていました。礼儀正しい好青年ですよ。ツインズは前田投手に大きな信頼と期待を置いています。頑張ってほしいですね」

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