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MLB主砲の定位置とは?イェリッチは「2番」ベリンジャーは「4番」 チーム最多本塁打者を打順別に検証【ナ・リーグ編】

 2019年はメジャーリーグで史上最も多くの本塁打が生まれたシーズンとなった。その数、6776本。2017年の6105本を671本も上回る驚異的な数字だった。試合の流れを大きく変えうる本塁打は、当然チームの「主砲」が中心となって積み重ねられたが、彼らはそれぞれどの打順で放物線を描き続けたのだろうか。そして、そこに「傾向」はあるのだろうか。今回は後編として「ナショナル・リーグ」をお伝えする。

2020/03/29

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中地区

◇カブス チーム合計256本
<チーム内の最多本塁打>38本 カイル・シュワーバー外野手
<打順別内訳>1番:17本◎、2番:2本、3番:1本、4番:4本、5番:7本、6番:3本、7番:1本、8番:3本
 
◇ブルワーズ チーム合計250本
<チーム内の最多本塁打>44本 クリスチャン・イェリッチ外野手
<打順別内訳>2番:36本◎、3番:8本
 
◇レッズ チーム合計227本
<チーム内の最多本塁打>49本 エウヘニオ・スアレス内野手
<打順別内訳>2番:6本、3番:40本◎、4番:3本
 
◇カージナルス チーム合計210本
<チーム内の最多本塁打>34本 ポール・ゴールドシュミット内野手
<打順別内訳>2番:11本、3番:15本◎、4番:7本、7番:1本
 
◇パイレーツ チーム合計163本
<チーム内の最多本塁打>37本 ジョシュ・ベル内野手 
<打順別内訳>4番:36本◎、9番:1本
 

 
 地区3位となり5年ぶりにポストシーズン進出を逃したシカゴ・カブスだが、チーム本塁打の数は地区トップの256本だった。大砲といえばハビア・バイエズ内野手(29本)、クリス・ブライアント内野手(31本)といった選手が思い浮かぶが、チーム内で最多だったのが38本塁打を放ったカイル・シュワーバー外野手だった。メジャー5年目のシュワーバーは、自身2度目の30本塁打以上でキャリアハイを更新。「捕手ができる外野手」としてユーティリティ性が重宝されているが、主砲としてバットでも順調に成長している。打順としては「1番」で最多の17本をマークし、4番で4本、5番でも7本と中軸でも長所を失わず活躍した。
 
 連覇は逃したものの地区2位でポストシーズンに進出したミルウォーキー・ブリュワーズ。打線も活発で、チームとして250本塁打という攻撃力を持ち味にシーズンを戦い抜いた。その中で最も多い本塁打を放ったのがクリスチャン・イェリッチ外野手で、キャリアハイの44本塁打はメジャー全体6位という好成績。その大半を占めるのが「2番」での36本となっている。本塁打を記録したのは、8本を放った3番を含めて2つのみ。2017年は主に3番で18本塁打だったが、2018年から2番に定着し同打順で26本、そして昨季は36本と大幅にその数を増やした。
 
 シンシナティ・レッズの絶対的な主砲といえば、メジャー2位となるシーズン49本塁打を放ったエウヘニオ・スアレス内野手だ。2016年にレギュラーに定着し、本塁打も昨季の34本から15本もの上積みに成功した。打順別では「3番」での40本が最多で、2番で6本、4番で3本を記録。しかし、チームとしてはそれに次ぐ選手がヤシエル・プイーグ外野手(シーズン途中にインディアンスへ移籍)の22本、アルスティデス・アキーノ外野手の19本と物足りず。オフに獲得したマイク・ムスタカス内野手やニコラス・カステヤノス外野手の活躍に期待したいところだ。
 
 地区制覇を果たしたセントルイス・カージナルスは、本塁打数では地区4位の210本にとどまった。チーム最多は移籍1年目のポール・ゴールドシュミット内野手の34本。アリゾナ・ダイヤモンドバックスからトレードで加入し、故障で離脱したマット・カーペンター内野手やヤディアー・モリーナ捕手の穴を補った。ゴールドシュミットの打順別の最多は「3番」での15本。しかし、2番で放った11本と大差なく、上位から中軸にかけて器用にこなした。また、地区最少の163本に終わったピッツバーグ・パイレーツは、ジョシュ・ベル内野手がチーム最多の37本塁打をマーク。「4番」に固定されチーム唯一の30本塁打以上となる36本を放ち、貴重なポイントゲッターとして大きく貢献した。
 
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