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MLB主砲の定位置とは?トラウトは「2番」クルーズは「3番」 チーム最多本塁打者を打順別に検証【ア・リーグ編】

 2019年はメジャーリーグで史上最も多くの本塁打が生まれたシーズンとなった。その数、6776本。2017年の6105本を671本も上回る驚異的な数字だった。試合の流れを大きく変えうる本塁打は、当然チームの「主砲」が中心となって積み重ねられたが、彼らはそれぞれどの打順で放物線を描き続けたのだろうか。そして、そこに「傾向」はあるのだろうか。今回は前編として「アメリカン・リーグ」をお伝えする。

2020/03/26

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西地区

◇アストロズ チーム合計288本
<チーム内の最多本塁打>41本 アレックス・ブレグマン内野手
<打順別内訳>1番:3本、2番:9本、3番:17本◎、4番:12本
 
◇アスレチックス チーム合計257本
<チーム内の最多本塁打>36本 マット・チャップマン内野手、マット・オルソン内野手
<打順別内訳>チャンプマン=2番:17本、3番:19本◎ オルソン=3番:18本◎、4番:13本、5番:2本、6番:2本、7番:1本
 
◇マリナーズ チーム合計239本
<チーム内の最多本塁打>30本 ダニエル・ボーゲルバック内野手
<打順別内訳>3番:2本、4番:13本◎、5番:5本、6番:6本、7番:2本、8番:2本
 
◇レンジャーズ チーム合計223本
<チーム内の最多本塁打>30本 ルーフネッド・オドーア内野手
<打順別内訳>2番:2本、5番:2本、6番:15本◎、7番:9本、8番:2本
 
◇エンゼルス チーム合計220本
<チーム内の最多本塁打>45本 マイク・トラウト外野手
<打順別内訳>2番:45本◎
 

 
 2017年から2018年にかけての「サイン盗み」が判明し、昨季についても疑惑がささやかれているヒューストン・アストロズは、“結果”として西地区最多のチーム288本塁打を記録してリーグ優勝に繋げた。その中で最も多い本塁打を放ったのがアレックス・ブレグマン内野手で41本。2018年の31本から10本上積みし、キャリアハイの数字を残した。ブレグマンは「3番」で17本ものアーチを描いたが、4番でも12本、2番で9本を放つなど、39本塁打のジョージ・スプリンガー外野手、31本塁打のホセ・アルトゥーベ内野手、ユリ・グリエル内野手らとともに上位から中軸にかけて任される打順でそれぞれ期待に応えた。
 
 2年連続地区2位でポストシーズンに進出し、かつての強さを取り戻したオークランド・アスレチックスは、マット・チャップマン内野手、マット・オルソン内野手がともにチーム最多の36本塁打を放った。メジャー3年目のチャップマン、4年目(実質3年目)のオルソンともにキャリアハイの本数で打線をけん引。しかし、チャップマンが「3番」で最多19本を放ったのに対し、オルソンも「3番」で最多18本を放ち、同じ打順で役割を分け合った。しかし、チャップマンは2番で17本、オルソンは4番で13本をマークしており、チームとして「ダブル主砲」は打線に幅が出る心強いものとなった。
 
 シアトル・マリナーズとテキサス・レンジャーズは、それぞれのチーム内の個人最多本塁打が30本で同数。マリナーズは「4番」で最多の13本を放ったダニエル・ボーゲルバック内野手、レンジャーズは「6番」で最多の15本を放ったルーフネッド・オドーア内野手だった。オドーアに関しては、ア・リーグのチーム別最多本塁打の選手の中で唯一となる「打順6番以降で最も多い本塁打を放った選手」となっている。
 
 大谷翔平選手を擁するロサンゼルス・エンゼルスは、リーグ最優秀選手賞(MVP)を獲得したマイク・トラウト外野手がチーム最多の45本塁打をマーク。最近8年間で6度目のシーズン30本塁打以上としたトラウト自身キャリア最多の本数で、主砲として完璧な地位を固めている。そして、昨季放った45本は全て「2番」でのもの。先発出場も2番での133試合が全てで、オリオールズのマンシーニ以上に「2番最強説」を唱えるには格好の題材となっている。
 
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