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「2番最強説」は本当か。MLBを代表するスラッガーの打順とは 二塁打、本塁打、打点のトップ5で検証

 メジャーリーグで「大砲」「スラッガー」「ポイントゲッター」と呼ばれる選手は一体何番の打順で最も優れた成績を残しているのだろうか。昨季メジャーで二塁打、本塁打、打点の部門でそれぞれトップ5入りを果たした選手の起用打順を調べてみた。

2020/03/22

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本塁打


※カッコ内は2019年の所属チーム
 
1位 53本 ピーター・アロンゾ(メッツ)
2位 49本 エウヘニオ・スアレス(レッズ)
3位 48本 ホーヘイ・ソレール(ロイヤルズ)
4位 47本 コディ・ベリンジャー(ドジャーズ)
5位 45本 マイク・トラウト(エンゼルス)
 
 ニューヨーク・メッツのメジャー1年目、ピーター・アロンゾ内野手が放った53本塁打は、メジャートップであるとともに歴代メジャー新人最多記録でもある。そのアロンゾがシーズンを通じて最も多く務めたのは「2番」だった。2番として72試合に出場し、80安打、15二塁打、26本塁打、52打点、打率.288をマーク。次に多かったのは「3番」の55試合で、2番より17試合少ない。3番では48安打、11二塁打、15本塁打、44打点、打率.230と、15発を打ちながら2番の時より大きく打率を落としている。
 
 昨季メジャー2位となる49本塁打を放ったのはシンシナティ・レッズのエウヘニオ・スアレス内野手。メジャー6年目にしてキャリアハイの本塁打数をマークし、大台50本まであと1本に迫った。スアレスはシーズンを通じて159試合に出場したが、そのうち121試合で「3番」に座り、同打順で128安打、15二塁打、40本塁打、83打点、打率.279とチームの主砲として存分に活躍。1シーズンで7番以外の全ての打順を経験したが、残りの9本塁打は2番で6本、4番で3本となっている。
 
 カンザスシティ・ロイヤルズの大砲でメジャー3位の48本塁打を放ったメジャー6年目のホーヘイ・ソレール外野手は、キャリアで初めて全162試合に出場。2番から6番までそれぞれ15試合以上経験し、そのうち最も多かったのは66試合の「4番」だった。4番では62安打、16二塁打、21本塁打、50打点、打率.268と、本塁打数は全本塁打の半分にも届かず。それでも、2番から6番で各5本塁打以上を放ち、どの打順でも長所を見失わず仕事を全うした。
 
 2019年のナショナル・リーグ最優秀選手賞(MVP)を獲得したロサンゼルス・ドジャースのコディ・ベリンジャー外野手は、47本塁打でメジャー4位。最優秀新人賞(新人王)を獲得した2017年以来、チームの中心人物として連続地区優勝に貢献しているが、キャリアハイの本塁打数をマークした昨季に最も多く座ったのは「4番」で131試合だった。出場試合(156試合)のうち約84%を占めた4番で140安打、28二塁打、42本塁打、104打点、打率.295の成績を残し、一発の能力だけでなく確実性の高さを発揮している。
 
 メジャー5位の45本塁打を放ったロサンゼルス・エンゼルスのマイク・トラウト外野手が、昨季シーズンを通じて先発で出場したのは「2番」のみ(133試合)。137安打、27二塁打、45本塁打、104打点、打率.291をマークした。2018年も2番で最も多い23本塁打を放つなど、キャリアを通じて通算285本のうち2番で最多の168本塁打を記録。「トラウト、エンゼルスの主砲、2番」のパッケージは年々固まっている。

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