大谷翔平選手をはじめとした日本人メジャーリーガーを中心にメジャーリーグ・日本プロ野球はもちろん、社会人・大学・高校野球まで幅広いカテゴリーの情報を、多角的な視点で発信する野球専門メディアです。世界的に注目されている情報を数多く発信しています。ベースボールチャンネル



「収入を得るためには仕方がない」。新型コロナから選手を守るはずが…MLB開幕延期で苦境に立たされるマイナーリーガーたち

2020/03/16

text By

photo

Getty Images



NBAに遅れをとったスタジアム従業員への支援

 スタジアム従業員たちに救いの手を差し伸べる動きはNBAの方がMLBより早かった。クリーブランド・キャバリアーズのケビン・ラブ、デトロイト・ピストンズのブレイク・グリフィン、シャーロット・ホーネッツのコディ・ゼラー、ミルウォーキー・バックスのヤニス・アデトクンポ、といった選手たちが次々とチーム施設の従業員たちへ10万ドル(約1065万円)の経済支援を表明し、ニューオーリンズ・ペリカンズの大物ルーキーであるザイオン・ウィリアムソンは従業員全員の給与1か月分を負担すると発表した。
 
 こうした選手たちだけではなく、NBAチームも次々と組織としてスタジアム従業員への支援を打ち出している。ゴールデンステート・ウォリアーズは本拠地従業員支援のために100万ドル(約1億650万円)の基金を設立し、クリーブランド・キャバリアーズやアトランタ・ホークスらも同様の動きを見せている。
 
 MLBでは今のところ、ヒューストン・アストロズのジョージ・スプリンガー外野手が10万ドル(約1065万円)の寄付をしたことぐらいしか聞こえてこない。
 
 シンシナティ・レッズのトレバー・バウアー投手はスタジアム従業員を救済するためのクラウド・ファンディングを立ち上げるというユニークな試みを始めたが、ファンド設立から約1日たった現在の寄付金総額は目標額の100万ドル(約1億650万円)にはほど遠い約200万円に留まっている。
 
 ロサンゼルス・タイムス紙によれば、NBAではレイカーズとクリッパーズの本拠地であるステイプルズ・センターの従業員は中止になった試合の時給が支給されるとの手紙を既に受け取っているとのことだ。ところがMLBでは同様の嘆願をしたドジャーズとエンゼルスの従業員たちは何も球団からの返事を受け取っていない。

1 2 3