大谷翔平選手をはじめとした日本人メジャーリーガーを中心にメジャーリーグ・日本プロ野球はもちろん、社会人・大学・高校野球まで幅広いカテゴリーの情報を、多角的な視点で発信する野球専門メディアです。世界的に注目されている情報を数多く発信しています。ベースボールチャンネル



Home » コラム » 「収入を得るためには仕方がない」。新型コロナから選手を守るはずが…MLB開幕延期で苦境に立たされるマイナーリーガーたち

「収入を得るためには仕方がない」。新型コロナから選手を守るはずが…MLB開幕延期で苦境に立たされるマイナーリーガーたち

2020/03/16

text By

photo

Getty Images



スタジアム従業員にとっても深刻な状況

 新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、MLBは春季オープン戦を中止し、2020年シーズンの開幕を最低2週間延期すると発表した。MLBおよび選手会は選手たちに開幕までの間、春季キャンプ地に留まるか、本拠地の都市に移るか、自宅に戻るかを選択できるものとした。
 

 
 大物代理人として知られるスコット・ボラス氏は選手たちに春季キャンプ地に留まることが良策だと発言した。キャンプ地では医療体制が充実していること、外部との接触が少ないことを理由に挙げている。
 
 現時点ではという但し書きがつくが、キャンプ施設があるアリゾナとフロリダはウイルス感染の度合いが比較的低い地域でもある。その一方で、ロサンゼルス・エンゼルスの本拠地があるカリフォルニア州、シアトル・マリナーズの本拠地があるワシントン州、そしてニューヨーク・ヤンキースの本拠地があるニューヨーク州は、いずれも非常事態宣言が出されている。
 
 そうしたことから、ボラス氏の提案は理にかなっていると思われる。だがMLBの開幕延期で影響を受けているのはメジャーリーガーだけではない。収入の道が閉ざされたスタジアム従業員、そしてマイナーリーガーたちが既に大きな打撃を受け、先が見えない不安に直面している。
 
 スタジアム従業員の多くは時給制だ。試合が行われないと彼らの収入もなくなる。マイナーリーガーたちも同じだ。春季キャンプ中に給料は発生せず、日々の食事代のみが支給される。シーズン開幕が延期されるということは、給料の支払いも延期される。そして、その無収入期間がいつまで続くかはわからない。

1 2 3