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前カブス・ゾブリストが引退へ ユーティリティープレイヤーの先駆者として活躍

2020/02/13

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Getty Images



勝負強さも抜群、16年WSでは108年ぶり優勝決める一打

 シカゴ・カブスからフリーエージェント(FA)となっているベン・ゾブリスト内野手が、来季はプレーしない意思であることが分かった。地元メディア『CUBS INSIDER』が12日(日本時間13日)、伝えている。
 
 MLB史でも重要な立ち位置にある名選手が、現役生活に終止符を打つことになりそうだ。同サイトによると、オフにカブスからFAとなったゾブリストは今季プレーしない意思であることが判明。38歳という年齢もあり、事実上の現役引退となった。
 
 06年にタンパベイ・レイズでデビューしたゾブリストは、名将ジョー・マッドン監督(現エンゼルス監督)の下、複数のポジションをこなすレギュラー選手としてプレー。ユーティリティープレイヤーの先駆者として、捕手以外全てのポジションを守った。
 
 また、打撃でも卓越した選球眼と技術で活躍。長打力と走力も兼ね備えており、1人で何役もできる史上最高の万能選手だった。オークランド・アスレチックスを経て、15年にカンザスシティ・ロイヤルズへ移籍すると、同年に自身初の世界一を経験する。
 
 翌16年には優勝請負人としてカブスへ移籍。自身は2年連続ワールドシリーズへ進出すると、勝てば優勝の第7戦、延長10回表に決勝タイムリーを放って球団108年ぶりのワールドチャンピオンを実現した。シリーズMVPにも輝き、シカゴでは英雄的存在となった。
 
 しかし、昨季は夫人の浮気による離婚問題によって5月上旬に制限リスト入りし、戦列に復帰したのは4ヶ月後の9月。攻守ともに持ち味はまだまだ健在だっただけに、余力を残しての現役引退となった。通算成績は1651試合、打率.266、167本塁打、768打点、116盗塁。
 
 打撃だけでも好打者であったゾブリストだが、究極の便利屋としてチームへの貢献度は計り知れなかった。現在はユーティリティープレイヤーが重宝される時代だが、その流れを作り出したゾブリストは、先駆者としてこれからも永遠に語り継がれていくことだろう。