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過去には日本からの組織票も問題に? MLBオールスターファン投票事件史

ロイヤルズファンによる大量投票が話題となっている今年のMLBオールスターファン投票だが、大量投票にまつわる事件はこれが初めてではない。2001年には日本からの大量投票も問題となった。

2015/06/25

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日本からの大量投票は、01年のイチロー

 アメリカ国内での組織票だけでなく、日本からの大量投票が問題となったこともあった。それが2001年のマリナーズのケースだ。

 この年のマリナーズからは、中間発表の時点でイチローを含む5人が各ポジションのトップに立った。その年最終的に116勝を積み上げたチームだけあってイチロー、エドガー・マルティネス、ブレット・ブーンらファン投票に相応しい選手が多かったのは間違いない。しかしジェイソン・ジアンビーを下回る成績のジョン・オルルード、そしてOPS+81(平均的な打者は100)と低迷していたデビッド・ベルが引退を発表していたカル・リプケンJrや、遥かに良い成績を残していたトロイ・グロスを上回ったことは大きな問題となり、一部のメディアやファンからは日本を含む世界中の食料品店などからファン投票ができることに非難の声が集まった(最終的にベルは落選、カル・リプケンJrが選ばれた)。

 著名なコラムニストの1人であるロブ・ネイヤーも当時以下のように語っている。

“I’m not begrudging Japanese baseball fans the right to vote for Major League Baseball’s All-Stars — well, maybe I’m a little begrudging — but is it fair to the non-Mariners on the ballot, when nearly every game played by the Seattle Mariners — alone among the 30 major-league clubs — is telecast back in Japan?”
私は日本のベースボールファンがMLBオールスターゲームの投票権を与えることをしぶってはいません…まぁ、多少は嫌がっているのかもしれない。しかしマリナーズ以外の球団にとって30球団で唯一マリナーズのゲームだけがほぼ全試合日本でテレビ放映されているのは公平といえるのだろうか?

 こうした過去の事例を見ても、今年のロイヤルズの大量投票の規模は最大級であることがわかる。もしこのまま二塁手部門でオマー・インファンテ(OPS.548)が選ばれるようなことになれば全米的な非難は免れないだろう。投票締め切りは7月2日、どのような結末が待っているのだろうか。

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出典:The history of All-Star ballot-stuffing by Max Rieper in SB Nation on Jun.22 2015

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