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潤沢資金のエンゼルス、FA市場で迫られる“究極の決断”。「エース獲得」か「充実の先発ローテ構築」か

2019/11/12

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エプラーGMは「2人の先発投手」補強へ積極的に動く方針明言も…現実的な“資金配分”を勧めるMLB公式

 ロサンゼルス・エンゼルスが、今オフのフリーエージェント(FA)市場で2人の先発投手を獲得するため、資金を積極的につぎ込む方針であることが分かった。米公式サイト『MLB.com』が11日(日本時間12日)、伝えている。
 
 エンゼルスのビリー・エプラーGMが11日に今オフに2人の先発投手を獲得する方針を明言した。「(獲得へ向けて)非常に幅広いネットワークを投じたと言える」話しており、GM会議で多くの球団関係者との接触があるとみられる。
 
 同サイトでは、目玉の1人であるゲリット・コール投手について、エンゼルスが獲得に動く理由を列挙。投手陣の“エース”を必要としていること、コール自身がエンゼルスの本拠地があるカリフォルニア州南部のオレンジ郡出身であること、そして球団オーナーのアート・モレノ氏が補強に資金をつぎ込む姿勢であることを挙げている。
 
 エプラー氏は、球団の財政状況とモレノ氏の姿勢を受け「我々が望むなら、(補強へ)積極的になる能力を持っている」話し、コールをはじめとする球界屈指の先発投手の獲得に意欲的だ。しかし、同サイトはより現実的な提言をしている。
 
 それは、エンゼルスが複数の先発投手を必要とすることで、同時に“コール獲得”の可能性が低くなるというもの。コールの今季年俸は1350万ドル(約14億7000万円)。そこからの大幅アップとなることは必至で、コールを獲得したとしても、あと1人の先発投手に回せる資金がどれだけ残るかは分からない。回せたとしてもごくわずかになってしまう可能性もある。
 
 そんな中、同サイトは「ザック・ウィーラー、マディソン・バムガーナー、柳賢振、ジェイク・オドリッジといったコストにおける“第2層”の投手たちをターゲットにする方が理にかなっている」と言及。もし、この中から2投手を獲得する場合は、コール獲得の夢は事実上消滅する可能性が大となるのだ。
 
 潤沢な資金を手元に置くとはいえ、コールの獲得がシーズンに入って結果的に最悪のケースに陥ることだけは避けたいところ。“第2層”と言われる投手たちもメジャーで豊富な実績を持った有力選手であることは間違いないだけに、充実した先発ローテーションを構築するためにも、その資金をどのように使うことになるのかに大きな注目が集まる。