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ツインズ新人右腕の“波乱万丈”野球道 無名大学&極小規模L…ドライバー業も。契約2年でPS先発

2019/10/06

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Getty Images



今季8月にメジャー初昇格、最初の2先発は「オープナー」

 ニューヨーク・ヤンキースとミネソタ・ツインズによるアメリカン・リーグ地区シリーズ第2戦が5日(日本時間6日)、ヤンキースの本拠地ヤンキー・スタジアムで行われ、8-2でヤンキースが勝利を収めた。同シリーズ戦績はヤンキースの2戦2勝となった。
 
 あと1敗シリーズ敗退までに追い込まれたツインズは、これでメジャー新記録となるポストシーズン15連敗。そのうちの12敗がヤンキース相手に喫したものだ。
 
 この日のヤンキースの先発は田中将大投手。一方でツインズの先発マウンドを任されたのは24歳の新人右腕ランディ・ドブナック投手だった。5回1失点と好投し勝利投手となった田中に対し、ドブナックはこの日2回4失点と結果を残せず、ツインズ大敗のきっかけを作り、負け投手となった。
 
 ドブナックは8月8日(同9日)にメジャーに昇格したばかりで、この日までの通算成績はわずか9試合で28回1/3を投げただけだった。先発投手としてマウンドに上がったのは5試合のみで、しかも最初の2試合は所謂オープナーとしての登板だった。
 
 それほどまでにキャリアの浅い新人投手が、ポストシーズンの大舞台において日米で輝かしいキャリアを積み上げてきた田中を相手に投げ合ったわけだが、ドブナックのユニークなエピソードはそれだけに留まらない。

夢の扉はなんと「ユーチューブ」…契約金は約21万円

 大学時代は2部リーグの無名大学、アルダーソン・ブローダス大学に所属していたドブナックは卒業後もMLBドラフトでは指名されなかった。
 
 僅か4チームのみで構成される小さな独立リーグ、ユナイテッド・ショア・プロフェッショナル・ベースボール・リーグ(USPBL)でプレーしていたドブナックを見出したのは、ツインズのベテラン・スカウトであるビリー・ミロス氏だ。
 
 とは言っても、ミロス氏は知人だった独立リーグの監督からドブナックのことを聞き、動画共有サイト『Youtube』でドブナックの大学時代の動画だけを見て、ツインズにドブナックを獲得することを提案したということらしい。2017年8月にツインズとマイナー契約を結んだドブナックの契約金は2000ドル(約21万4000円)だった。
 
 翌2018年シーズンを1Aで終えたドブナックは2019年には春季キャンプが開始される2カ月前にツインズのキャンプ地であるフロリダ州フォートマイヤーズに到着し、副業であるUber(ウーバー、オンライン配車サービス) のドライバー業を続けていた。
 
 そして、午前中に野球のトレーニングをした後に午後2時から9時までドライバー勤務をする日々を送った。唯一トレーニングを休む日曜日は1日中車のハンドルを握っていたという。
 
 フォートマイヤーズにはボストン・レッドソックスのキャンプ地でもあるが、どうやらドブナックはツインズやレッドソックスの選手を車に乗せたことはなかったようだ。
 
「もしムーキー・ベッツが僕の車に乗ってきたら、すぐに分かっただろうけど、幸か不幸かその機会はなかった。彼は多分ウーバー・ラックス(高級車オプション)を使うのだろうね」とドブナックは全国紙『USA TODAY』の取材に対して応えている。

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