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「山あり谷あり」でも――大谷翔平への期待は止まない。三振が多くても、それ以上に魅力があるから

2019/09/11

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“まだメジャー2年目”なのに「大谷より優れた選手は数少ない」という事実

 さらに、現在のエンゼルスにとって大谷より優れた選手は数少ない。大谷を上回る成績を残している選手といえば、打率.291、キャリア最多の45本塁打を放ち104打点を挙げ、アメリカン・リーグ最優秀選手賞(MVP)の候補にもなり得るマイク・トラウト外野手が真っ先に挙げられる。
 
 そして打率.251、22本塁打、85打点を稼いでいるトラウトに次ぐ主砲のアルバート・プホルス内野手。打率.289、5本塁打、44打点の成績で主に上位打線を担うデビッド・フレッチャー内野手。打率.231、トラウトに次ぐチーム2位の28本塁打、67打点のコール・カルフーン外野手と名前が挙げられるが、今季の成績においていずれの打者も「大谷よりも絶対に優れている」とは断言できない。9人が並ぶ打線において大谷が「必要不可欠」な存在であることは間違いないのだ。
 
 大谷は三振数が多い。今季は好不調の波も激しい。しかし、長打が打てる。メジャー屈指の走力も持っている。そして何より、打てばチーム全体が盛り上がる。今季、大谷の本塁打が飛び出した試合は現在16試合あるが、チームはそのうち11勝を挙げているという事実もある。
 
 試行錯誤を繰り返しているであろう、まだメジャー2年目の大谷が持つ潜在能力、可能性は計り知れない。ファンの期待の反動も大きいが、辛抱するべき時期もあるはずだ。
 
 エンゼルスにとってシーズンは残16試合とわずか。この中で、大谷が与えられたチャンスでどんな打席を見せてくれるのか。打者に専念の今季こそ最後まで見守り、3年目の来季へ向けた期待を持ち続けていきたいところだ。

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