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大谷翔平、指揮官の配慮で復調の兆し。指定席の3番降格、23打席連続右腕との対戦も好影響か

好不調の波が激しいシーズンを送っている大谷翔平選手(ロサンゼルス・エンゼルス)。“○○打席ぶり”、“○○試合ぶり”という枕詞が紙面を賑わせているが、そうした枕詞との決別を予感させるパフォーマンスを見せた一週間だった。

2019/09/10

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15試合ぶりの一発も飛び出す

 この一週間の遠征を打率.350(20打数7安打)、1本塁打、7打点という好成績で終えた大谷。現地3日(日本時間4日)の対オークランド・アスレチックス戦の第3打席で16打席ぶりのヒットを放つと、現地7日(同8日)の対シカゴ・ホワイトソックス戦の第2打席では15試合ぶりとなる第17号本塁打を放ち上昇モードだ。
 
 大谷の試行錯誤が続く日々にブラッド・オースマス監督がメスを入れたことは一つの好転の要因だったにちがいない。現地4日(同5日)の試合で5番打者への降格を決断すると、翌日は出場機会を与えずに休養させた。そして、その後の2試合では、5番、4番でそれぞれ出場し、計9打数5安打の活躍を見せた。
 
 大谷は昨シーズンも3番打者としての出場試合では打率.347(49打数17安打)、6本塁打と打順別でも最高の成績を残す一方で、初回の打率が.250(40打数10安打)となっている。
 
 今季もここまで打率.270(74打数20安打)とシーズン成績を下回るように、試合の中では比較的スロースターターといえよう。初回に確実に打席が回ってくる3番打者としてのルーティンからすると、下位打順は、たとえ1人、2人の違いとはいえ試合が温まった状態で登場するのは試合の景色が異なる部分はあるだろう。
 
 また、欠場した現地5日(同6日)のゲームでは、アスレチックスは先発にブレット・アンダーソン投手を起用したことをはじめ、結果として4人の左腕を投入した。オースマス監督はこの一戦で大谷を代打でも起用しなかった。結果として大谷は、現地8日(同9日)の第3打席にジョシュ・オシック投手と対戦するまで計23打席連続で右投手との対戦が続いていたことになる。ゲーム中に対戦相手の右腕,左腕によってスタンスの微調整も行う大谷にとっては、そうした作業から解放されたことも集中力を高める要因になったのではないだろうか。
 
 前週にも2試合連続で大谷をスタメンから外していたオースマス監督は「(大谷は)少し苦しんでいる。結果をあまり気にすることなく打席に入れるのでは」と打順変更への配慮を語っている。こうした指揮官の気遣いは大谷の気持ちを楽にさせたのか、5番降格直前には「いいスイングができていない」「見えている球を空振りしている。自分の感じで振っているのと(軌道に)ズレがある」とコメントしていた大谷が、その後数日で上昇カーブを描き始めた。
 
 「状態が上がれば(3番に)戻す」とオースマス監督が言っていたように、現地8日(同9日)のゲームでは早速大谷は指定席の「3番・DH」の座に復帰した。この2、3試合のパフォーマンスで完全復調したと見るのは早計かもしれないが、オースマス監督の自信のある決断であるなら間違いないと信じたい。残り少ないシーズン、大谷は指揮官の心遣いに答えを出せるだろうか。
 
 
高橋康光




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